講談社現代新書<br> 縮小ニッポンの衝撃

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講談社現代新書
縮小ニッポンの衝撃

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  • サイズ 新書判/ページ数 200p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784062884365
  • NDC分類 334.31
  • Cコード C0233

出版社内容情報

未曾有の人口減少に直面する「縮小ニッポン」はどのような未来が待ち受けているのか。ネットで大反響を呼んだ衝撃作がついに登場私たちが生きる日本。これから先、どんな未来が待っているのだろうか。

2016年に発表された国勢調査(平成27年度)によると、我が国の総人口は1億2709万人となった。5年前の調査と比べて、96万2667人の減少である。「人口減少」と言われて久しいが、実は、大正9年(1920年)の開始以来100年近い国勢調査の歴史上初めて日本の総人口が減少に転じた、ひとつの大きな節目であった。
今回、大阪府も初めて「増加」から「減少」に転じるなど、全国の実に8割以上の自治体で人口が減少した。しかも、減少の幅は拡大傾向にある。私たちがこれから経験するのは、誰も経験したことのない「人口減少の急降下」だ。
明治維新が起きた1868年、わずか3400万人あまりだった日本の人口は、医療・衛生状態の改善や食生活の向上、経済成長によって、昇り竜のような勢いで増え続けてきた。いま私たちが立っているのは、急上昇してきた登り坂の頂上をわずかに過ぎたあたり。ジェットコースターで言えば、スピードがゆっくりになり、これから先の凄まじい急降下を予感させる不気味な「静」の時間だ。この先には、目もくらむような断崖絶壁が待ち受けている。
2017年に発表された最新の予測では、人口減少のペースが若干弱まってはいるものの基調はほとんど変わっていない。国立社会保障・人口問題研究所は、出生率や死亡率の高低に応じて3パターンの予測値を発表している。真ん中の中位推計では、2053年には日本の人口は1億を切り、2065年には8808万人になるという。これから約50年間で実に3901万人の日本人が減少することになる。
 しかも、人口減少と並行して、急速な高齢化が進む。日本は既に15歳未満の人口割合は世界で最も低く、65歳以上の割合は世界で最も高い水準にあるが、これから8年後の2025年には、日本は5人に1人が75歳以上の後期高齢者が占める超高齢社会に突入する。
これらは国が想定する未来図であり極端な悲観論ではない。日本社会は、これから世界で誰も経験したことのないほどのすさまじい人口減少と高齢化を経験することになる。

第1章
東京を蝕む一極集中の未来
23区なのに消滅の危機
(東京都・豊島区)
第2章
破綻の街の撤退戦(1)
財政破綻した自治体の過酷なリストラ
(北海道・夕張市)
第3章
破綻の街の撤退戦(2)
全国最年少市長が迫られた「究極の選択」
(北海道・夕張市)
第4章
当たり前の公共サービスが受けられない!
住民自治組織に委ねられた「地域の未来」
(島根県・雲南市)
第5章
地域社会崩壊 集落が消えていく
「農村撤退」という選択
(島根県・益田市、京都府・京丹後市)
エピローグ
東京郊外で始まった「死の一極集中」
(神奈川県・横須賀市)


NHKスペシャル取材班[NHKスペシャルシュザイハン]
著・文・その他

目次

第1章 東京を蝕む一極集中の未来―23区なのに消滅の危機(東京都・豊島区)
第2章 破綻の街の撤退戦1―財政破綻した自治体の過酷なリストラ(北海道・夕張市)
第3章 破綻の街の撤退戦2―全国最年少市長が迫られた「究極の選択」(北海道・夕張市)
第4章 当たり前の公共サービスが受けられない!―住民自治組織に委ねられた「地域の未来」(島根県・雲南市)
第5章 地域社会崩壊集落が消えていく―「農村撤退」という選択(島根県・益田市、京都府・京丹後市)
エピローグ―東京郊外で始まった「死の一極集中」(神奈川県・横須賀市)

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kinkin

108
もう日本の人口は下り坂にかかっているそうだ。人口が減り高齢化が進む。当然自治体に入る所得税や市民税も減りかわりに福祉にお金がかかる。市民サービスは低下し・・・の悪循環、それがニッポンの行く末ということ。2020年は東京オリンピック、しかし1964年の時と比べれば正反対な状況。雇用も求人と求職者のミスマッチにより労働力も不足。そんなニッポンの縮小モデルが北海道・夕張市が紹介されていた。読んでいてあれこれ考えたり調べているとこの先のニッポン明るくないことは確かだと感じた。2017/08/25

えちぜんや よーた

100
今さらNHKが「衝撃」と言うことの方がよほど「衝撃」w 人口動態なんて何十年も前から分かってたことだし。「公共放送やのに警鐘を鳴らすのが遅すぎるわ!」って、タイトルを見て突っ込んでしまった。 ただこの本の良いところは2点ある。1つ目は取材力でさすが天下のNHKさん。もう2つ目は解決策は提示していないこと、意図しているのかどうかわからんけど。もう「お上をあてにすんな」ということを暗示しているのか。もしくはNHK自体が思考停止状態に陥っているのか。もはや「昭和の権威」は衰弱死に向かいつつあるように感じた。2017/08/27

Miyoshi Hirotaka

70
江戸期に人口は2.5倍増。明治には三千万人になった。鎖国後、新田開発に投資し、内需拡大に成功したのが背景。一方、人口は21世紀までの140年間で3.8倍に激増。ここからは、自然減に転じる。都市部は人口流入で暫く現状維持だが、地方では再生不可能な水準に縮減した町や村が急増。社会の仕組みは人口増とその維持が前提なので、わが国史上初の事態だ。配分すべき資源にも縮減が及ぶ。無慈悲な淘汰に委ねるのか、自らを変えて適応するのか、未来のために積極投資するのか、個より全体という厳しい価値判断の受入れとその実行が迫られる。2018/08/23

slider129

50
先に読んだ「未来の年表」と同趣旨の内容。どちらも戦略的に縮むことの必要性(本書では”撤退戦”と呼んでいる)を説いているが、こちらでは実際の自治体に取材をしている分、よりリアルに深刻さが伝わって来る。夕張市などの先行して撤退戦を始めている実情を知ると、いかに日本の政治が地方を切り捨てているかを感じさせられる。これからは問題を先送りする政治家は厳しく糾弾しないといけない。本書を読んでも、国民が等しく痛みを分かち合うぐらいでしか解決策は見当たらないが、AIやロボット介護等の第四次産業革命に期待するのも消極的か。2017/11/23

shikada

47
NHKの取材班が、人口減少により縮小していく日本の姿を描き出す。一極集中が続く東京ですら、2025年には人口減少が始まる。地方は言うまでもない。東京が地方の人材を吸収し、生み出した富を地方に再分配するモデルはもう成立しない。未来の日本の縮図として、人口がピーク時に比較して9割減少した夕張市を紹介している。人口減は税収減に直結するため、市役所職員も絶望してどんどん辞職し、道路や水道等のインフラの維持もままならない。必然的に、インフラを一箇所に集中させたコンパクトシティを目指さざるを得なくなる。 2019/04/28

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