講談社現代新書<br> 森の力―植物生態学者の理論と実践

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講談社現代新書
森の力―植物生態学者の理論と実践

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  • サイズ 新書判/ページ数 204p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784062882040
  • NDC分類 650
  • Cコード C0245

出版社内容情報

現場での調査・研究に没頭した日々から、日本一木を植えた男へ。今も植樹のため世界中を駆ける老学者が生命と人間社会の営みを語る。「お前はまだ人の話を聞くな。誰かが話したことの又聞きかもしれないぞ。
お前はまだ本を読むな。そこに書いてあることは、誰かが書いたやつの引き写しかもしれないぞ。
話はいつでも聞けるし、本はいつでも読める。
大事なことは、部分的あるいは結論めいた話や本にあるのではない」
「見たまえ、この大地を。見たまえ、この自然を。
ホンモノのいのちのドラマが目の前で展開しているではないか」
「お前はまず現場に出て、自分の体を測定器にすればいいのだ。
現場で、目で見、匂いを嗅ぎ、舐めて、触って、調べろ」

夜行を乗り継ぎ、現場調査に明け暮れた若き日々、
「見えないものを見る力」を学んだドイツ留学時代、
徹底的な調査研究で、日本の森の真実を知った10年間、
そして、自らの理論を基に、いのちを守るふるさとの森づくりへ。

日本一木を植えている科学者の理論と実践を知る決定版。

プロローグ 三〇年後の「ふるさとの森」に入ってみよう
第一章 原点の森
第二章 始まりは雑草から
第三章 日本の森の真実
第四章 木を植える  
第五章 “宮脇方式”
第六章 「天敵」と呼ばれた男
第七章 いのちと森
第八章 自然の掟
エピローグ タブノキから眺める人間社会


宮脇 昭[ミヤワキ アキラ]
著・文・その他

目次

プロローグ 三〇年後の「ふるさとの森」に入ってみよう
第1章 原点の森
第2章 始まりは雑草から
第3章 日本の森の真実
第4章 木を植える
第5章 “宮脇方式”
第6章 「天敵」と呼ばれた男
第7章 いのちと森
第8章 自然の掟
エピローグ タブノキから眺める人間社会

著者等紹介

宮脇昭[ミヤワキアキラ]
1928年岡山県生まれ。植物生態学者。広島文理科大学生物学科卒業、ドイツ国立植生図研究所研究員となる。横浜国立大学教授、国際生態学会会長などを経て横浜国立大学名誉教授、公益財団法人地球環境戦略研究機関国際生態学センター長。1970年代はじめからいまにいたるまで世界各国で植樹を推進する。1991年朝日賞、92年紫綬褒章、2000年勲二等瑞宝章、06年ブループラネット賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

アナクマ

27
とことん現場に学んで確立した潜在自然植生の10倍速森づくり、宮脇方式。地道な基礎研究、人材の多様性の重要さを示す好事例。功績は大きい。◉しかし森を「造る」は序章にすぎず、その後の「つきあいかた」は依然として残る根源的な課題。世界的な資源状況を鑑み、日本の森林を再生可能なものとして見た場合には、(著者も必要性を認めている)スギ人工林も、(いのちの森など不可侵と定めた場所を除く)潜在植生人工林も、持続的に賢く利用することに知恵と決断を集めることが不可欠と考えます。◉まさしく「このあとどうしちゃおう」です。2017/12/24

Sakie

15
日本の本来の森(原植生)は現代の日本にほとんど残っておらず、あとは全て人間が改変したもの(現存植生)だという。少なくとも広葉樹林は、本物の森だと私は思っていたが、自然な森ではないと知った。著者は何十年も各地の現地植生調査を行ない、もともと生育していた土地本来の木(潜在自然植生)を突き止め、その苗を多層になるよう、また競争原理が働く形で密植することによって、「人間が管理せずとも維持できる森」を早く生育させる方式を編み出した。長期の観察から導かれる論理は強い。とりあえず神社の鎮守の森を見に行こう。それが本物。2023/12/23

ハチアカデミー

15
戦後の高度成長期の中で、公害が問題となり、自然破壊の弊害が改めて考えられるようになった時期に、企業を、国を動かして「鎮守の森」を日本各地に再現せんとした植物学者の人生語り。現在日本の森林の多くが「マツ・スギ・ヒノキ」であるが、それは人が造林された人工林であり、土地本来の森ではないと指摘する。近代化によって、工業に利用可能で、成長が早い植物が植えられたのだ。著者はそれを「ニセモノ」の森と指摘するが、近年はやりの里山はいかに… 感情の人なので、本書のすべてを鵜呑みにすることはできないが、学ぶことは多かった。2014/07/17

めんま

9
全体的にヒロイックな調子で書かれていることは気になる。ただ、その土地が潜在的に適した樹木を持つという潜在自然植生という概念はすごく面白く、今の日本では森があるように見えても、実は土地に合っていない樹木の集まりであり、脆弱なのだという観点は目から鱗だった。2021/02/18

ぼのまり

9
漠然と神社など宗教的な意味合いで考えていた「鎮守の森」だが、日本の生態に本来適合した森であるからこそ、神社などがまつられたと考えるのが正しそうだ。杉や松、檜など一見緑が多く見えるようであっても、これらは造られた森であり、その土地の持つ生命力は発揮するにいたっていない。近くの神社などの木々も見てみようと思う。神聖に感じるのは木々と土地がシンクロしているからに違いないのだ。2013/08/20

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