講談社現代新書<br> 国力とは何か―経済ナショナリズムの理論と政策

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講談社現代新書
国力とは何か―経済ナショナリズムの理論と政策

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  • サイズ 新書判/ページ数 253p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784062881159
  • NDC分類 333.6
  • Cコード C0231

出版社内容情報

大震災やデフレのような、国難を乗り越え復興する能力が我が国には潜在する。それを生かす政策理念とは──?日本の支配的イデオロギーは「グローバル化による国家の退場」だった。「規制緩和」「小さな政府」などの政策がその典型であり、「平成の開国」という標語も同じイメージを共有するものであったと言える。
しかし、東日本大震災のような本当の意味での「危機」には、国家が強いリーダーシップを発揮し、国民が団結をして行動することにより生み出される「国力」が求められている。そして「危機」は自然災害や事故に限らない。金融市場の崩壊やデフレ不況という経済危機も、克服しなければならない「危機」である。本書は「国力」の重要性と、豊かな経済社会を取り戻すための経済ナショナリズムの有効性を説く。

序   大震災という危機
第一章 危機に直面する世界
第二章 経済ナショナリズムとは何か
第三章 はじめに国家ありき
第四章 国力の理論
第五章 国力の政策
第六章 経済ナショナリズムとしてのケインズ主義
第七章 国民国家を超えて?
第八章 経済ナショナリズムと日本の行方


中野 剛志[ナカノ タケシ]
著・文・その他

内容説明

豊かな経済社会を取り戻すために。我が国の支配的イデオロギーは「グローバル化による国家の退場」だった。しかし東日本大震災のような危機には国家が強いリーダーシップを発揮することが求められている。異端の思想にこそ真実がある。

目次

序 大震災という危機
第1章 危機に直面する世界
第2章 経済ナショナリズムとは何か
第3章 はじめに国家ありき
第4章 国力の理論
第5章 国力の政策
第6章 経済ナショナリズムとしてのケインズ主義
第7章 国民国家を超えて
第8章 経済ナショナリズムと日本の行方

著者等紹介

中野剛志[ナカノタケシ]
1971年、神奈川県に生まれる。東京大学教養学部(国際関係論)卒業。エディンバラ大学より博士号取得(社会科学)。経済産業省産業構造課課長補佐を経て、京都大学大学院工学研究科准教授。専門は経済ナショナリズム。イギリス民族学会Nations and Nationalism Prize受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おさむ

35
地政学の大著「富国と強兵」は難解すぎて途中で断念したが、本著は新書でわかりやすかった。中野氏の研究の中核である経済ナショナリズムの解説書。新自由主義が世界に蔓延する中で、経済における国力の維持や増強を説く。保護主義や資源ナショナリズムとからめて批判されがちだが、イアン・ブレマーが言う所の「国家資本主義」が本格化するいま、むしろ日本も経済ナショナリズムを強めるべきだという考え方。ともすれば、トランプの自国第一主義と変わらぬようにも感じるが、一考する価値はあるように思う。2019/04/24

壱萬弐仟縁

28
ナショナル・パワー(15頁~)。国民が団結・連帯して行動する力(18頁)。超格差社会なのでなかなか実現は困難。国家とは政治的・法的制度あるいは組織。国民は一種の共同体(78頁)。国民国家とは、政治的そして法的秩序がネイションという社会的イメージに依存する国家特殊形態(80頁)。国力はネイションの能力(91頁)。真の国力とは、人々を動員し、協働させることによって、創造し、成し遂げるためのネイションの社会的な能力(140頁)。残念だが、他動詞の「させる」には、発展ではなく、開発というような感じで賛同できない。2014/02/28

seki

20
経済ナショナリズムという言葉に、初め違和感を覚えたが、読み終わって、共感するところがたくさんあった。まだ、咀嚼できてない部分が多いが、要は民間経済の自由に任せきりでなく、ネイションという国民国家の統合を力として、国家が安全保障や経済成長に必要なところは積極的に介入し、国家に不利となることは、他国と協調して排除していくべきというのが筆者の最も言いたいところと思われる。ただ、本書の主題の前提には、信頼できる政府の存在が必要と思う。さて、今の政府はどうだろうか。信頼できる政治家はどのくらいいるだろうか。2019/10/27

こも 零細企業営業

17
経済よりも国家とはという問いの方が刺さった。2022/12/03

軍縮地球市民shinshin

17
著者は経済産業省の官僚。経済ナショナリズムの研究で博士号まで取っているらしい。国民国家の「正」の側面に着目して、国家ありきの経済政策がうまくいくと力説している。確かに国民国家は廃れるどころか毎年どんどん増えてはいるが、それが良いことなのか悪いことなのかの判断はもう少し慎重にすべきだろうが、ナショナリズムが経済を支える要素になるというのはそうなのだろうなと思った。最近の国民国家否定論に抗する理論として注目しても良いのではないだろうか。2017/04/15

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