講談社現代新書 国際正義の論理

押村 高【著】

講談社（2008/10発売）

• サイズ 新書判／ページ数 238p／高さ 18cm
• 商品コード 9784062879613
• NDC分類 319
• Cコード C0231

出版社内容情報

「国家の主権」と「人間の安全保障」が拮抗する時代にあって、正義はいかにあるべきか？　古くて新しい問いに正面から挑む。第1章　正義に「国境」ができるまで / 第2章　「国際正義」の誕生と変転 / 第3章　正義の交錯としての戦争 / 第4章　人道的介入 / 第5章　貧困の放置は不正なのか / 第6章　行動する主体と責任 / 第7章　文明と正義 / 第8章　人権をめぐる文明間対話

第1章　正義に「国境」ができるまで
第2章　「国際正義」の誕生と変転
第3章　正義の交錯としての戦争
第4章　人道的介入
第5章　貧困の放置は不正なのか
第6章　行動する主体と責任
第7章　文明と正義
第8章　人権をめぐる文明間対話


押村 高［オシムラ タカシ］
著・文・その他

内容説明

アメリカの正義、イスラームの正義、相互理解は不可能なのか。

目次

第１章　正義に「国境」ができるまで
第２章　「国際正義」の誕生と変転
第３章　正義の交錯としての戦争
第４章　入道的介入
第５章　貧困の放置は不正なのか
第６章　行動する主体と責任
第７章　文明と正義
第８章　人権をめぐる文明間対話

著者等紹介

押村高［オシムラタカシ］
１９５６年東京生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。フランス政府給費留学生としてパリ第二大学大学院博士課程留学、Ｄ．Ｅ．Ａ．（Ｓｃｉｅｎｃｅ　Ｐｏｌｉｔｉｑｕｅ）取得。早稲田大学大学院政治学研究科博士課程修了、政治学博士。早稲田大学助手、パリ第二大学・パリ社会科学高等研究院客員研究員などを歴任。現在、青山学院大学国際政治経済学部教授。政治学、政治思想史、政治文明論、国際関係論、国際関係思想史、欧州地域研究、ＥＵ論、フランス政治論、ナショナリズム論など研究対象は多岐にわたる（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー

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[ceskepivo]

文明の数だけ「正義」がある。日本が国際秩序の責任あるステークホルダーになろうとするのであれば、まず、他国をも頷かせることができる「正義にかなった国際秩序」の長期的なデザインを得ておく必要がある。

2015/10/12

[ステビア]

今季は著者の講義を取っています。とてもかっこいい方です。とりあえずざっとめくっただけ。また読みます。

2014/04/15

[無重力蜜柑]

人道的介入や戦争法周りの話題だと思って古本屋で買ったが、グローバリズムや社会正義、普遍的価値や人権も含めた「国際正義」の話だった。どこかで見たことのある色々な話題や思想、出来事が並列されるスタンダードな新書。読みやすいが、残念ながら個人的な興味からはズレていた。「平和維持軍」を構成するにはアメリカの力が必要不可欠で、そのアメリカから見れば国際社会の論理こそが不徹底に見えるという指摘はちょっと面白い。まあ、この本が出てからの十四年でだいぶ情勢も変わっているだろうが。

2022/04/04

[うえ]

ロールズの弟子「ポッゲは先進国の富裕市民が積極的義務を果たさないという意味で不道徳であるよりむしろ不正に加担しないという最低限の義務すら果たさないという意味で倫理的に問題があると述べている…進めて、歪んだ体制を「構造的不正」と名づけたのは倫理学者ヤング…問題の本質を解き明かすには「構造的不正への連帯責任」という…考えかたを導入する以外にない」しかしこれらの理屈ではイスラムの全否定になってしまう(ムスリム外への区別やコーランの否定)。ヤングの場合は近代法の元では不可能。イスラム法でも採用するしかない●続く

2015/05/31

[大道寺]

国際正義の歴史をまず確認し、次に、正しい戦争はあるのか、貧困の放置は不正なのか、文明間の対話によって正義を普遍化していけるのか、といった個別のテーマについて話していく。著者の主張を伝えるよりも、読者に国際正義の議論の土俵に立ってもらうための本だろう。これからウォルツァーの『正しい戦争と不正な戦争』や井上達夫の『世界正義論』を読む前の準備体操としてはちょうどよい感じだったかもしれない。他にも読みたい本が幾つかできた。

2014/01/13