出版社内容情報
30年以上にわたり愛されつづけてきたファンタジー文学の傑作が新装版に!
水玉もようのかさの案内で、霧の谷にやってきたリナがすごした ふしぎな夏休みの物語。
『霧のむこうのふしぎな町』は日常と違う世界に行ったりするけれども、実は限られた不思議な空間。昔からそういう話が好きでした。――島本理生(作家)
柏葉 幸子[カシワバ サチコ]
著・文・その他
杉田 比呂美[スギタ ヒロミ]
著・文・その他
内容説明
水玉もようのかさをおいかけているうちに、リナは、ふしぎな町へやってきた。森の深い緑の中に、赤やクリーム色の家が六けん。石だたみの道は、雨がふったようにぬれている。ここが、リナのさがしていた、霧の谷のめちゃくちゃ通りだった。小学中級から。
著者等紹介
柏葉幸子[カシワバサチコ]
1953年、岩手県生まれ。『霧のむこうのふしぎな町』で、第15回講談社児童文学新人賞、日本児童文学者協会新人賞受賞。『ミラクル・ファミリー』で、第45回産経児童出版文化賞受賞
杉田比呂美[スギタヒロミ]
1959年、東京都生まれ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
♪みどりpiyopiyo♪
57
水玉もようのかさをおいかけているうちに、リナはふしぎな町へやってきた… ■楽しいお話を読みました。表紙をめくれば町の地図♪ 自然と期待が高まります。日常から一歩踏み出せば、そこは謎めくふしぎな町。日常系ファンタジーな正統派児童文学が嬉しくて。■軽やかで愛らしい挿絵も雄弁に作品世界を広げます。青い鳥文庫版と同じ画家のショット違い? 微妙に違う挿絵で、こちらのハードカバー版の方が表情や仕草に動きがあって♡ ■霧の谷にやってきたリナがすごした ふしぎな夏休みの物語でした。(1975年。2006年 新装版)(→続2019/01/26
nyanco
37
出版されているものの中から杉田比呂美さんのイラストが可愛い文学の扉シリーズからコレをチョイス。メアリーポピンズが好きだった柏葉さん、傘というアイテムの使い方が素敵。めちゃくちゃ通りの住人達のキャラもひとつひとつのエピソードも本当に楽しかった。もうあそこには二度と行けないの…と思いリナな涙ぐむラストシーン。お土産のふくろから出てくるひとつひとつに住人達とのエピソードが思い出される。そして、意地悪なピコットばあさんからのプレゼントは…、とても素敵な物語でした。小学生の時に巡り会えなかったのが本当に残念!続→2010/10/12
emi
36
上杉リナ、小学六年生。お父さんに熱心に勧められて、静岡から一人でやってきたのは、霧の谷。半年前にもらったピエロの柄のついた傘を持って、駅を降りたのに、誰も迎えにきてくれないし、誰も霧の谷を知らない…。小学生の女の子が、自ら働いて成長する、想像力豊かなファンタジーで素敵だなと思ったら、「千と千尋の神隠し」の原案だったんですね。例えるなら、映画は洗練されたパティスリーだと思いますが、こちらは、昔からある町のケーキ屋さん、という印象でした。少し洒落てるけど、素朴であたたかみがある。ほどよい甘さの、安心の物語。2015/10/10
yuzuriha satoshi
35
ラジオに作者が出演していて、とても良い方だったのでデビュー作を読んでみました 『千と千尋の神隠し』に似てる部分が多いなあ と思ったら元ネタになっているのですね ここから年を追って作品を読んでいきます 最新作に辿り着くのが楽しみ(執筆中のお作も不思議な世界に迷い込む話だそうです)2013/10/30
野のこ
34
この町が必要とする人が来ることができる。えりごのみする霧の町。めちゃくちゃなことだらけだけど、働くことや町の人との交流で日に日にリサの成長を感じました。みんながびっくりするような素敵な夏休みの思い出やね。ナータのたくわんとマヨネーズをはさんだ黒パン!滋賀県のサラダパンみたいで私は興味津々。ミョウガばかり食べている仙人もちょっと気になりました。薬味好き?2017/10/23