出版社内容情報
広瀬 和生[ヒロセ カズオ]
著・文・その他
内容説明
「この頃、みんな笑わせ過ぎだよ。いかに笑うかじゃない。笑わせないでもらいたい」―長年、小三治を追いかけてきたからこそ聞き出せた貴重なロングインタビューに、主要九十演目を聴き比べたマニアックな考察。おすすめ音源と映像紹介…。小三治が「名人」である理由を鮮やかに解き明かした、落語ファンはもちろん「一流の仕事」を目指す、すべての人に捧げる書。
目次
第1章 柳家小三治インタビュー
第2章 ここが好き!小三治演目九十席(“青菜”夏に聴きたい小三治噺の筆頭;“あくび指南”紛うことなき小三治の十八番;“明烏”「吉原賛歌」ではなく、人間模様の面白さを描く;“意地くらべ”小三治にとっては珍しいネタ;“一眼国”台詞廻しの妙で魅せる、幻想ホラーの世界;“居残り佐平次”佐平次のキャラに際立つ、小三治らしさ;“うどんや”五代目小さん十八番を継承;“鰻の幇間”印象的なフレーズの数々を、ぜひ堪能したい;“馬の田楽”愛嬌ある田舎言葉が絶品;“厩火事”「自分にとって『厩火事』は人情噺だ」 ほか)
著者等紹介
広瀬和生[ヒロセカズオ]
1960年、埼玉県生まれ。東京大学工学部卒業。ヘヴィメタル専門誌「BURRN!」編集長。落語評論家。1970年代からの落語ファンで、ほぼ毎日、生の高座に接し、自ら落語会のプロデュースも手掛ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
greenish 🌿
41
ほぼ毎日生の寄席に接する著者のインタビューによる「小三治論」と著者解説による「小三治90演目」。稀代の噺家を味わい尽くす垂涎の一冊 ---広瀬和生氏の小三治愛が満ちている。偏愛とも言える。そして私もひとりの偏愛者になった…。かの談志師匠は「落語は人間の業の肯定である」と語ったが、小三治師匠の落語への姿勢を垣間見るに、業の肯定というよりも「業の受容」、人間の生の営みへの愛着に溢れた噺家ではないかと。だからこそ、心の芯からの共感が生まれる。「なぜ面白いのか?」柳家小三治という噺家の”人間力”なのだと思う。 ⇒2017/06/04
緋莢
14
柳家小三治へのインタビュー2本と、主要演目90席解説が収録されています。六代目三遊亭圓生はこと細やかに教えてくれたが、師匠の五代目柳家小さんは、その気持ちで喋ればそう聞こえるんだ、とシンプルなもので、今になってみれば その方が正しいというものや、経験を拡大解釈して落語にする、「本当に話したかったのは、談志さんだけかなぁ」など興味深い話が多いインタビューは読み応えがありました。柳家小三治は生で聴いたことはありませんが、TV放送で「初天神」は観たことあります。「千早ふる」を是非とも聴いてみたいです。2018/12/05
へいがぁ
4
たぶん単行本で読んだものの再読。著者紹介で落語評論家とあるが、それは違うと思う。本の内容としては面白いのだが。2016/08/02
Nobuko
2
小三治の「まくら」シリーズが面白くてこれも買ってみました ひととなりがよくでていて面白かったです しかし本物を聞いたことなのは邪道だなぁ・・ 一度聴きに行こうっと2016/12/08
yoshiakikushida
1
むしろこの本を読んでから小三治をききはじめたのでもう一回読みたいと思ってます。ご隠居と八つあんのやりとりがたまんないです。2016/11/21




