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講談社+α文庫
ワイルド・スワン〈下〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 544p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062816656
  • NDC分類 936
  • Cコード C0122

出版社内容情報

吹き荒れる文化大革命の嵐が、思春期の著者とその一家を容赦なく襲う。毛沢東とは何者だったのか。歴史的巨編が再登場します。迫害を受け続ける家族。思春期をむかえた著者は、10代の若者が遭遇する悩みや楽しみをひとつも経験することなく急速に「おとな」になった。労働キャンプに送られる両親。著者にも、下放される日がついに訪れた。文化大革命の残虐な真実をすべて目撃しながら生き、「野生の白鳥」は羽ばたく日を夢見続ける。親子3代、70年にわたる運命の記録!

『ワイルド・スワン』は個人の物語ですが、二十世紀中国の歴史を反映しており、そこが問題なのです。中国共産党は自らの支配を正当化するために公式な歴史解釈を発表していますが、『ワイルド・スワン』はその解釈に従っていません。とくに、毛沢東を中国人民に対して犯罪に匹敵する悪政をおこなった人物として描いており、ここが、毛沢東は基本的に善良で偉大な指導者であったとする北京政府の見解と相容れないのです。(新版によせて)

第十五章 「まず破壊せよ、 建設はそこから生まれる」 ――文化大革命、始まる
第十六章 「天をおそれず、 地をおそれず」――毛主席の紅衛兵
第十七章 「子供たちを『黒五類』にするのですか?」――両親のジレンマ
第十八章 「すばらしいニュース」――北京巡礼
第十九章 「罪を加えんと欲するに、 何ぞ辞無きを患えんや」――迫害される両親
第二十章 「魂は売らない」――父の逮捕
第二十一章 「雪中に炭を送る」――姉、弟、友だち
第二十二章 「思想改造」――ヒマラヤのふもとへ
第二十三章 「読めば読むほど愚かになる」 ――農民からはだしの医者へ
第二十四章 「どうか、 ぼくの謝罪を聞いてください」――労働キャンプの両親
第二十五章 「かぐわしい風」――『電工手冊』 、 『六つの危機』 、新しい生活
第二十六章 「外国人の屁を嗅いで芳香と言うに等しい」――毛沢東の時代に英語を学ぶ
第二十七章 「これを天国と呼ぶなら、 何を地獄と言うのか」――父の死
第二十八章 翼をこの手に
エピローグ
訳者あとがき
年譜


ユン・チアン[ユン チアン]
著・文・その他

土屋 京子[ツチヤ キョウコ]
翻訳

内容説明

迫害を受け続ける家族。思春期をむかえた著者は、10代の若者が遭遇する悩みや楽しみをひとつも経験することなく急速に「おとな」になった。労働キャンプに送られる両親。著者にも、下放される日がついに訪れた。文化大革命の残虐な真実をすべて目撃しながら生き、「野生の白鳥」は羽ばたく日を夢見続ける。親子3代、70年にわたる運命の記録!

目次

「まず破壊せよ、建設はそこから生まれる」―文化大革命、始まる(一九六五年~一九六六年)
「天をおそれず、地をおそれず」―毛主席の紅衛兵(一九六六年六月~八月)
「子供たちを『黒五類』にするのですか?」―両親のジレンマ(一九六六年八月~十月)
「すばらしいニュース」―北京巡礼(一九六六年十月~十二月)
「罪を加えんと欲するに、何ぞ辞無きを患えんや」―迫害される両親(一九六六年十二月~一九六七年)
「魂は売らない」―父の逮捕(一九六七年~一九六八年)
「雪中に炭を送る」―姉、弟、友だち(一九六七年~一九六八年)
「思想改造」―ヒマラヤのふもとへ(一九六九年一月~六月)
「読めば読むほど愚かになる」―農民からはだしの医者へ(一九六九年六月~一九七一年)
「どうか、ぼくの謝罪を聞いてください」―労働キャンプの両親(一九六九年~一九七二年)〔ほか〕

著者等紹介

ユンチアン[ユンチアン]
1952年、中華人民共和国四川省生まれ。文化大革命が吹き荒れた1960年代、14歳で紅衛兵を経験後、農村に下放されて農民として働く。以後は「はだしの医者」、鋳造工、電気工を経て四川大学英文科の学生となり、苦学ののちに講師となる。1978年にイギリスへ留学、ヨーク大学から奨学金を得て勉強を続け、1982年に言語学の博士号を取得

土屋京子[ツチヤキョウコ]
翻訳家。東京大学教養学部卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

金吾

27
○全体を通じ迫力ある文章に引き込まれます。文化大革命については、権力者の絶対的正義と権力闘争の激しさ、時流に乗るために手段を選ばない人等印象深いことが多かったです。一家を中心にしながら中国全体も想起させるいい本だと思いました。2022/07/20

ちゃま坊

21
文化大革命は毛沢東というボスが起こした反乱。大躍進政策を批判するナンバー2以下の勢力に対し、まず学生を使って魔女狩りをやった。相互監視と密告を奨励し、紅衛兵という少年たちに残虐行為をやらせる。多くの知識人が粛清され、国家にとって大きな人材損失となった。作者の父は共産党幹部だったが被害にあった。死者の数ではスターリンやヒトラーを凌ぐという毛沢東。まるで狂ったカルト教団に支配されたような時代だった。このへんは山崎豊子「大地の子」と合わせて読みたい。2021/10/09

あつ子🐈‍⬛

10
凄まじい物語です。大陸に吹き荒れた文革の猛威がどれほど多くの人々の命を奪ったかに愕然とします。そして階級敵人の烙印を押されたお父上が、どんなに苛められても決して自分の信念を曲げなかったこと、そんな彼をチアンさん家族が決して見捨てなかったことに胸を打たれました。涙なしでは読めん…。何年か後、徐々に雪解けが進むなか大学に進んだチアンさんが、まだ文革の爪痕も生々しい図書館へ西洋の本を求めて駆けてゆく時のあの溢れんばかりの喜び!学問は正しく翼を授けてくれるのですね。あの嵐を生き延びた人々に、幸あれかしと願います。2024/03/02

太田青磁

9
私たちは声を揃えて『毛沢東語録』を唱えた。いまでも私はたくさんの文章を一言一句間違わずに暗唱することができる・子供がかわいくない人はいないよ。しかし共産党員はそれを越えなくてはならない。迫害の犠牲になった人々の子供のことも・父は大きな流しに火を起こし、その中へ本を投げこんでいた。生まれてはじめて、父が泣くのを見た・母は、資本主義路線に同調する誤りを犯しましたという罪認書に何回となく署名した。けれども、父を批判することは断固拒絶した・父の目には、気力も能力もありながら働く場を奪われた男のやりきれなさがあった2023/05/10

numno1

9
上巻の大躍進時代も悲惨ですが、やはり文革ですね・・まだしも恵まれた家庭に生まれ育った著者にしてこれか、という感じ。しかし、文革の悲惨さもさることながら、負けまいと強く生きる著者とその家族に心打たれる話でした。2020/11/20

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