内容説明
太宰治といえば、どんなイメージを持っていますか。破滅志向、酒好き・女好き、精神病院、自殺未遂、心中…。作中に綴られた孤独や堕落、不信感はまぎれもなく太宰治ならではの世界ですが、人の温もりを知っているからこそ孤独を語れるのです。ユーモアに富み、サービス精神旺盛で、人を愉しませるのが大好きだったお笑い芸人・太宰治。没後60年たったいまも読者を魅了し続ける太宰文学の真骨頂を、かつてない斬新な切り口で徹底紹介。
目次
第1章 告白!私はこうしてダザイに惚れた
第2章 ダザイの素顔はとってもキュート
第3章 こんなに笑える中期の作品
第4章 オトメン太宰、女心を鷲掴み
第5章 かくも美しくてたくましい「斜陽」
第6章 現代への警鐘を鳴らす「人間失格」は、希望の書
著者等紹介
木村綾子[キムラアヤコ]
1980年、静岡県に生まれる。明治大学政治経済学部卒業後、中央大学大学院にて文学修士課程修了。文学修士号取得。雑誌の読者モデルを経て、2005年よりタレント活動を始める一方、評論・エッセイ・コラムなど文筆業も幅広く行う。文学通として多くの文学誌に独自の視点から寄稿している。「太宰治検定」にも関わっている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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鉄之助
249
太宰は口述筆記の才能があった、との指摘が面白かった。「蚕が糸を吐くように口述し、淀みなく、言い直しもなかった」と言う美知子夫人の証言がリアル。編集者も太宰の文章を口述で紡ぎ出す瞬間を「まるで美しい音楽を聴いているときの恍惚感に似ていた」と例えた。タイトル通り、入門書に最適。2021/08/28
葵@晴読雨読
22
図書館本。タイトルに惹かれて。タイトル通り太宰治の入門紹介本。非常におもしろく読めた。いろんな角度から太宰治が紹介されている。もっとこういった類いの本を読んでみたくなった。2018/03/10
lonesome
18
正直に告白すると、自分は教科書以外で太宰治の本を今まで随筆しか読んだことがない。それは決して食わず嫌いなどではなく敢えて避けてきたのだ。けれど、最近、太宰治の人となりに興味を持ち、ついに小説を読むときがきたと思い作品に触れているこの本を手にしてみた。そういう意味でとても面白く読めたし、読みたい太宰治の作品を見つけることが出来た。そして、紹介されている「斜陽」の台詞を読んで、綿矢りさの「かわいそうだね?」のあの台詞の元はこれかなというのを見つけた。2013/11/27
anco
11
木村綾子さんが太宰治について熱く語った1冊。太宰治を読み返したくなりました。2015/08/20
koushi
8
著者の太宰愛が溢れている一冊でした。そういう感じ方もあるのか、そういう解釈もあるのか、なるほど。わたしはそこまで読み切れてないなと。読み方感じ方に正解はないが、もっと深いところを汲み取りたいと思った。2021/10/04