出版社内容情報
自殺した親父が残したパソコンのなかにいるのは裕子。いや違う、あれは単なるプログラムにすぎない。いったい彼女は何者なのか?父が自殺した。突然の死を受け入れられない受験生・安藤直樹は父の部屋にある真っ黒で不気味な形のパソコンを立ち上げる。ディスプレイ上で裕子と名乗る女性と次第に心を通わせるようになる安藤。プログラムにしかすぎないはずの裕子の記憶が紐解かれ、浮上する謎。ミステリー界史上屈指の問題作が今甦る。
本書は先行作品に対する敬意ある挑発である。――京極夏彦(ノベルス刊行時)
(第5回メフィスト賞受賞作)
浦賀 和宏[ウラガ カズヒロ]
著・文・その他
内容説明
父が自殺した。突然の死を受け入れられない安藤直樹は、父の部屋にある真っ黒で不気味なパソコンを立ち上げる。ディスプレイに現れた「裕子」と名乗る女性と次第に心を通わせるようになる安藤。裕子の意識はプログラムなのか実体なのか。彼女の記憶が紐解かれ、謎が謎を呼ぶ。ミステリの枠組みを超越した傑作。
著者等紹介
浦賀和宏[ウラガカズヒロ]
1978年生まれ。’98年、第5回メフィスト賞を受賞してデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
328
最初に読んだのが刊行当初なので、20年ぶりくらいになるのか。上下巻に分冊されたことで、ストーリーの進行の遅さが際立ってしまったような印象の上巻。他に改めて感じたこととして、童貞全開少年の一人称"俺"は読んでいて恥ずかしい。しかしまぁ、著者独特の青々しい世界観は実はかなり好きだったりする。かなり思わせぶりな伏線が多く、再読なので、それが明らかにならないままシリーズが続いていくのも知っている。作品が出揃った今だから気持ちに余裕持って読めるのも事実で、昔は焦らされすぎて二作目以降を追うのをやめてしまった。2018/06/26
セウテス
87
第5回メフィスト賞受賞デビュー作品上巻〔再読〕突然、父親が死んだ。朝起きると、父親が自分の書斎で首を吊って自殺していたのだ。父親のパソコンを開くと、裕子という女性と会話が出来る。調べてみると、自分には17年前に17才で自殺した、裕子という名前の姉がいる事が解る。裕子はパソコン内のプログラムなのか、他と繋がっていて誰かが会話をしているのか。主人公直樹は、徐々に裕子と心を通わせていくのだが、本作はミステリなのかSFなのか。思春期のネガティブな感情を表現しようとしているのか、読手の好みはハッキリ分かれると思う。2018/10/08
きっしぃ
32
4年以上前に読んでシリーズ途中で放置しちゃってたみたい。面白く読んでたはずなので、改めて読み直しを。突然前触れもなく自殺した父、残されたパソコンでは裕子という女性と会話が出来た。裕子はプログラムなのか?それとも意思を持っている人間なのか…。全然続きを覚えていない…。早速下巻へ。2020/01/03
すたこ
29
★★期待値上がる始まり方で良かった。なかなか気になる謎が出てきて面白くなるかと思いきや、同じようなところをグルグルしてる感じで…今後の展開に期待!下へ続く。2017/03/15
みなみ
28
第5回メフィスト賞受賞作でデビュー作の上巻。ある日父親が自殺し、父親の遺品であるパソコンを立ち上げたところ、ディスプレイに現れた「裕子」とやり取りをするようになって…。裕子はプログラムなのか、それとも人間なのか、主人公の直樹と共に考えさせられる。ジャンルはミステリーなものの、SF要素もあって面白い。2023/03/16