出版社内容情報
潜水服に身を包み、敵上陸用舟艇を海底から襲うための特攻部隊「伏龍」。本土決戦に備え日夜訓練に励む少年兵達の極限の日々を描く。
潜水服に身を包み、敵上陸用舟艇を海底から襲うための特攻部隊「伏龍」。本土決戦に備え日夜訓練に励む少年兵達の極限の日々を描く。
内容説明
潜水服に酸素ボンベを背負って海底に潜み、竹竿の先に装着した機雷でアメリカの上陸用舟艇を迎え撃つ―本土決戦に備え結成された伏龍特攻隊に配属されたのは、まだ15~16歳の少年たちだった。不完全な装備と急を要する日程が、訓練中の彼らを次々と死に追いやる。そして終戦目前、部隊を震撼させる事件が起きた。
著者等紹介
阿井文瓶[アイブンペイ]
1941年北京生まれ。早稲田大学文学部卒業。シナリオライターとして「特捜最前線」「ウルトラマン・シリーズ」など約500本のシナリオを手掛ける。1980年小説現代新人賞を受賞、以後小説に専念(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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馨
9
大東亜戦争末期本土上陸に対抗する為15歳前後の少年兵で編成された伏龍特攻隊。作家城山三郎さんも伏龍特攻隊員だったそうです。画像を見れば恐ろしく残酷な兵器だと明らかです。 実戦がなかっただけ良かったと思っていた自分が浅はかでした。多くの若い少年兵が訓練中殉職されたのですね。この訓練、読んだだけで恐ろしいです。暗く前後も上下も見えない海底で多大なストレスに耐え、ひとたび呼吸を間違うとあっという間に命を落としてしまう。特攻兵器の中であまり知れ渡っていないと思います。多くの人に事実を知ってもらいたいと思いました。2013/05/24
wearnotequal
4
海に潜ったこともない中学生が、呼吸法を練習し重い機材を背負い海に潜る。敵を水際で待ち伏せ爆薬を先端につけたやりで攻撃する。今ではとても考えられない光景が戦中特に終戦直前には事実としてあった。脆弱な作りの潜水具により訓練中に命を落とす様子は痛々しい。特に苛性ソーダを吸い込んで暴れる様は耐え難いほど。二度と戦争は起こしてはならない。 2017/10/28
馬場誉志夫
3
15歳の海中特攻兵たち。訓練でたくさんの仲間が亡くなり、複雑な気持ちがまじわる。そして最後には、、、2016/01/29
tecchan
3
海底に潜み、竹竿に装着した機雷で米軍艦艇を迎え撃つ伏龍特攻隊。訓練中、次々に死にゆく隊員は、まだ15〜16歳の少年達。戦争に反対しながらも時代に流されてゆく上官の苦悩。「人は世を選べないが、人がもし世を選ぶことができる時代であったら、・・・」という言葉が胸を打つ。2015/07/18
micari
3
【22】神風・回天以外にも特攻隊があったことを知って読んでみた。「おらだぢみんなまだ子供でがす」苦しくなった。方言も抜けない、軍隊言葉も使えない、15歳。まだ少年なんだ、子供なんだ。なんて厳しい時代なんだろう。実践は無かったにしろ、訓練で何人もの人が死んでる。あんな装置で、何時間も海底で敵を待って、竹槍に付けた機雷を命中させるとか、普通に考えても無理なのに。そんなバカな計画のために、未来ある少年が何人も犠牲になったなんて腹が立つ。2013/09/07
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