内容説明
薩摩藩士の気概と商人の精神で、近代日本の礎を築いた風雲児、大阪商工会議所初代会頭・五代友厚。勝海舟、高杉晋作、グラバー、モンブラン伯爵…。人との出会いで彼はどう変わるのか。渡欧し大国と渡り合う小国ベルギーを見て、何を学び、何を日本に取り入れようとしたのか。痛快無比の活躍を描く歴史小説。
著者等紹介
佐江衆一[サエシュウイチ]
1934年東京生まれ。文化学院卒。コピーライターを経て、1960年「背」(新潮社同人雑誌賞)で作家デビューする。『北の海明け』で新田次郎文学賞、『黄落』でドゥ・マゴ文学賞、『江戸職人綺譚』で中山義秀文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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北風
26
知ってるようでほとんど知らない、大阪経済の父・五代友厚の生涯。こんなに波乱万丈だったんですね。やはり男が出世するには、合理的で情熱があり、艶福家でなければならないということなのでしょう。2016/01/02
sayan
23
サトウや吉村の著書で、本書の主役、五代友厚がひょっこり登場する。薩英戦争の真っ只中に、唐突感と共に顔を出すも、サトウや吉村は詳しく記述しない。そのユーモラスに興味を持った。渋沢に比肩される実業家五代の活躍も面白い。それ以上に五代の基礎となる詮議を巡るパートが興味深い。薩摩藩の郷中教育は、詮議(ケーススタディ)で、ディスカッションを重ね思考力を鍛える。この訓練が、一見根拠ない思い付きが、裏付けのある行動を生み出す。それは四面楚歌の中、賠償金+軍艦斡旋案の離れ業で三方良しを達成した重野安繹の源泉だったと納得。2020/12/27
sai
3
激動の幕末を生き抜いた五代さん…薩摩藩には活躍しても冷遇されたり、生命を狙われたりと波瀾万丈な人生だが、先見の明があり優秀な人だったんだね。朝ドラでは家族(実家・妻子)の話は描かれてなかったので意外だった…2016/02/09
だうとふぁいや
1
薩英戦争や、万国博覧会での幕府と薩摩藩の駆け引きが面白かった。 2016/04/04
ゆずこまめ
1
歴史が好きなので読みました。・・・新しい国を創るには、政治家だけ経済人も必要ですよね。でもコイツ男としてはサイテーだよ!父親としてもサイテー。読み終えての第一声が、「奥さん大変だな・・・」でした。2010/08/10