出版社内容情報
捜査一課を出された刑事が挑む警察捜査小説
警視庁捜査一課から青梅警察署水根駐在所長に。取り調べ中の容疑者の自殺で左遷された江波敦史警部補。組織から裏切られた彼は、自らを取り戻すための捜査する!
終りのない悲鳴
血痕とタブロー
風光る
秋のトリコロール
茶色い放物線
春嵐が去って
笹本 稜平[ササモト リョウヘイ]
著・文・その他
内容説明
警視庁捜査一課から青梅警察署水根駐在所所長へ。取り調べ中に容疑者が服毒自殺したことで左遷された警部補、江波淳史。自責の念を背負う元刑事は、奥多摩の捜査において生身の人間としての自分を取り戻せるか。冒険小説の第一人者が挑む警察小説。組織とぶつかりながらも、自ら信じる捜査を貫く様を描く。
著者等紹介
笹本稜平[ササモトリョウヘイ]
1951年、千葉県生まれ。立教大学社会学部社会学科卒業。出版社勤務を経て、海運分野を中心にフリーライターとして活躍。2001年、『時の渚』で第18回サントリーミステリー大賞と読者賞をダブル受賞。2004年には『太平洋の薔薇』で第6回大藪春彦賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆみきーにゃ
97
シリーズ一作目。ドラマがすごい面白くて読みましたが原作も面白い!笹本さんの山に対する愛情がひしひしと伝わってくる文章がすごく良い。駐在刑事頑張れ!!次作でもプールの活躍が読みたい。2021/08/17
七色一味
78
読破。日頃「そちら」方面はよく行くんですよ。ということで作品の舞台にも親近感です。この作者さんの作品はこれが2作目。前読んだ『春を背負って』ではちょっとトゲのあるレビューを書いた記憶が(^_^;)だからというわけではないけれど。400頁超えの、その厚さを感じさせない面白さがこの作品にはありました。ただねぇ、それが何に起因した面白さだったのかは、改めてレビューを書いてみるとはっきりしない。元上司の鼻を明かす部分なのか、背景にある山々や地域の人々の姿なのか、自然そのものなのか。でも面白いことに変わりないけど。2016/12/30
はつばあば
76
捜査一課の刑事が左遷されて奥多摩の駐在所に。奥多摩など行った事が無いけれど、景色や山の風景にひかれ市井の人達との交流、助手プールとの話。とても刑事モノとは思えない背景なのですが、やっぱりそれはそれ。田舎だから余計に都会からの犯罪者も押しかける。?押しかけるのじゃなく、元刑事の江波さんが引き寄せるのか。所轄魂といい、この駐在刑事といい笹本稜平氏を読まずしてなんとします。学生時代の友人も京都府警にいて定年前に亀岡かどこかの駐在所にオヤジさんと犬といたと話してくれた事を思い出した。駐在所・・響きがいいね!次巻へ2017/05/10
サンダーバード@永遠の若者協会・怪鳥
70
取り調べ中のミスが原因で奥多摩の派出所に左遷された江波警部補。彼を主人公とする短編ミステリ。笹本さんといえば、ヒマラヤや太平洋等の荒々しい冒険物のイメージがあります。今回の作品はそんな派手さはありません。でも奥多摩の山並み、梢を渡る風の音、移ろいゆく季節、そしてそこに暮らす人々の優しい気持ちが丁寧に描かれていて好感が持てました。★★★+2014/10/17
goro@the_booby
65
警視庁捜査一課から左遷させられて奥多摩の駐在所所長江波の連作事件簿。奥多摩の山地図を見ながら読んでおりました。山に魅せられ地元に寄り添う江波が好きになりました。事件が江波を呼ぶのか何かと本庁管理官が絡んできますがそれもお約束。なかでも遭難死した父の真実を探る「秋のトリコロール」とレトリバー犬が出てくる「茶色の放物線」が良いね~。山のスケールは違ってもこれは笹本稜平の山岳小説だ。新たな相棒と奥多摩を守って欲しいと入れ込んでシリーズ2作目もゲットしてきました。2019/04/29