内容説明
モラル・ハラスメントとは、今、日本でも深刻な問題となりつつある精神的虐待のこと。加害者も被害者も、認識の無いまま恒常的に繰り返された結果、被害者は精神的に支配され、最終的に人格が崩壊していく。男女関係の案件については日本一の経験を持つ著者が、“モラハラ”の実態と、その法廷闘争を描く。
著者等紹介
荘司雅彦[ショウジマサヒコ]
1958年、三重県生まれ。東京大学法学部卒業後、旧日本長期信用銀行、野村證券投資信託を経て、弁護士に。平均的弁護士の約10倍の案件を処理する傍ら、各種行政委員会の委員なども歴任。2008年、SBI大学院大学の教授に就任。また、モラル・ハラスメントのコメンテイターとして、テレビ・ラジオなどに多数出演(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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morinokazedayori
11
★★★★家庭内のモラハラについて、法廷内でさえも今以上に理解が広まっていなかった一昔前。自分の人生と自分自身を取り戻すために、加奈子は一大決心をする。著者は弁護士。勇気をもらえる一冊。2020/08/14
liverpool0810
4
モラハラというのは聞いたことがある程度の知識でしたが、本書を通してエッセンスは掴めた。自活できない子供がいくら親から虐待されても反抗しない、むしろ生命維持に合理的だとして本能的に親の機嫌を取るような振る舞いをしてしまうという逆説、モラハラ被害者は加害者に心理的に依存したり、過大評価する傾向にあるというのはこの問題の根深さを物語っている。モラハラは物理的暴力と異なり、顕在化しにくい性質があるため社会的認知、理解が重要になる。その意味で、物語というイメージしやすい方法でわかりやすく書かれた本書は価値がある。2011/02/05
綾瀬
2
小説家のやり方じゃないから違和感を感じるんだろうけど、ものすごく引っかかりのある作品2010/06/28
骨っ子
1
モラハラ離婚裁判について書こうとしてる割には、主人公の生い立ちや会社での冷遇により多くのページが割かれていてバランスが悪い。 また登場人物にも物語の設定にもリアリティがゼロで移入できなかった。特に主人公についてはいかにも「おっさんが書きました」という描写だったのでげんなり。 モラハラについて知りたいならもっといい本は沢山あると思った。2013/01/09
でゅか
1
証拠ありまくりのモラハラが現実味に乏しい。実際のモラハラは、巧妙に隠れて実証するのに大変なんだと知人が嘆いていた。2011/09/06