出版社内容情報
大陸の覇権をめざし若き英雄が決起した!
皇帝は帝都・長安を捨て、中国全土に反乱があいつぎ、隋の権威は地に墜ちていた。群雄割拠の時代を迎え、北方を守る太原留守(りゅうしゅ)・李淵(りえん)の次男・李世民(りせいみん)は李淵に決起をうながし、大陸の覇権を賭けて長安をめざした。唐朝第2代皇帝となる李世民の後戻りのできない戦いを描くロマンとスペクタクルの中国歴史長編。
一章 太原起義
二章 反隋の風
三章 長安入城
四章 弑逆
五章 天水の虎
六章 熊耳山
七章 逆心の果て、野心の果て
八章 真主のもとへ
九章 待ち人きたれば
十章 竜虎の激突
十一章 唐朝の剣
十二章 天高く志をかかげて
十三章 玄武門
小前 亮[コマエ リョウ]
著・文・その他
内容説明
皇帝は帝都・長安を捨て、中国全土に反乱があいつぎ、隨の権威は地に堕ちていた。群雄割拠の時代を迎え、北方を守る太原留守・李淵の次男・李世民は李淵に決起をうながし、大陸の覇権を賭けて長安をめざした。唐朝第二代皇帝となる李世民の後戻りのできない戦いを描くロマンとスペクタルの中国歴史長編。
著者等紹介
小前亮[コマエリョウ]
1976年、島根県生まれ。東京大学大学院修了。専攻は中央アジア・イスラーム史。在学中より歴史コラムの発表をはじめる。(有)らいとすらっふに入社後、田中芳樹氏の勧めで小説の執筆にとりかかり、2005年6月『李世民』講談社でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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巨峰
49
この重厚な作品がデビュー作だそう。隋末唐初動乱の時代を背景に多彩な英雄豪傑の活躍を描く。李兄弟側だけでなく敵方のキャラも素敵です2021/08/08
future4227
41
唐朝2代皇帝、李世民の即位までの話。よって、李世民の愛妾で後に女帝となる若き日の則天武后は登場しない。最初から最後までひたすら合戦描写が続く。陰湿な謀殺や粛清などが少ないため、ある意味爽快感がある。特に尉遅敬徳という武将は無敵の強さと揺るぎない忠義心で、敵ながら惚れ惚れするような人物だ。そりゃあ、殺さずに味方にしたくなるよなぁ。また、後に則天武后にも一目置かれた李世勣も若造ながら軍略の才をいかんなく発揮する。塚本青史版『李世民』よりもドロドロ感が無く、爽やか過ぎる李世民だった。2017/11/13
星落秋風五丈原
30
時代は随の終末から唐の初めまでを扱っているので、「遣隋使」「遣唐使」と同じ頃。さて、唐の太宗・李世民を主人公にした話は、初見だったので「随打倒」という共通の目的で立ち上がった群雄達が、時に結び、時に敵対しながら淘汰されていく様を、面白く読めました。誰がトップに立つかは、最初から決まっているわけではなく、ほんのちょっとした印象や、運だったりする。中でも、バカ弟のとばっちりを受けて次期皇帝の座をフイにする李家の長兄は、不運というしかない。でも逆に、理不尽だからこそ救われた歴史も、同じくらいにあるんでしょうね。2008/09/22
フミ
20
タイトルから、唐・建国の名将で、二代皇帝となる人物を描いた物語…と思いきや、隋→唐の戦乱期の各群雄の生き様が主で、章が進むごとに「隋唐・群雄地図」から、名前が減って行くという「バトル・ロワイヤル(漫画・映画しか知りませんが)」を思わせる作りの作品です。「隋唐群雄記」といったタイトルにした方が良かったかも? 後半になるにつれ、李世民の存在が注目されるようになって「あの武将が欲しい」という、人材コレクターぶりを発揮して来ます。 後半になっても、敵に凄い猛将が居て、首を取られるのでは?とハラハラさせられました。2024/03/06
tenma
6
ベースになっているのは、かの「隋唐演義」なのだろう。なので、「水滸伝」のようだけれど、名前が異なる人物がたくさん出てくる。▼もう少し、主人公を際立たせ、ライバルとなる人物をはっきりさせればとても面白かったのに。▼兎に角、李世民の神性のような部分が強調され過ぎで、人間性が良く見えない。これならば、李建成や竇建徳を主人公にした方が悲劇性や人物の面白さが出て面白かったと思う。▼秦 叔宝、尉遅 敬徳の2人について説明を加えても良いのではと思う。これでは、話の最初と最後に尉遅 敬徳が登場する理由が全く判らない。2010/05/12