出版社内容情報
その首が過去へ誘う。時の彼方の殺人事件
聖フランシスコ・ザビエル。日本にキリスト教を伝えたその人の首が、あるはずのない鹿児島で発見されたという。彼の首と、目を合わせてしまった修平の意識は、聖人が立ち会った400年以上前の殺人の現場へ跳ばされるーー。時空を超えて、誰もがその名を知る歴史上の人物にまつわる謎を解く異色ミステリー。
※本作品は、2004年10月、小社ノベルス『聖フランシスコ・ザビエルの首』として刊行されたものを改題しました。
柳 広司[ヤナギ コウジ]
著・文・その他
内容説明
聖フランシスコ・ザビエル。日本にキリスト教を伝えたその人の首が、あるはずのない鹿児島で発見されたという。彼の首と、目を合わせてしまった修平の意識は、聖人が立ち会った四百年以上前の殺人の現場へ跳ばされる―。時空を超えて、誰もがその名を知る歴史上の人物にまつわる謎を解く異色ミステリー。
著者等紹介
柳広司[ヤナギコウジ]
1967年生まれ。2001年『黄金の灰』(原書房、後、創元推理文庫)でデビュー。同年『贋作「坊っちゃん」殺人事件』(集英社文庫)で第12回朝日新人文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まこみん
97
ザビエルの首が鹿児島で発見され、ライターの修平は現地に赴き、ミイラ化したザビエルの目と視線が合ってしまう。その瞬間、彼の意識だけが450年程前にタイムスリップ。初めはザビエルの側近の意識下に留まり、戸惑う間もなく殺人事件に遭遇する。そこで彼の意識は解き放たれて、その身体を借りたまま冴えた推理を告げ、直後に現代に舞い戻る。そんな出来事が3回続き、しかも次第に時代が遡っていっていき、4回面はザビエルが8才の時のスペインとの悲惨な戦争時。「神の望まぬところ悪なし」彼が生前解けなかった謎が今明らかに。2018/02/25
ehirano1
88
オドロオドロシイタイトルから一体何が語られるのだろうと興味深く読みましたが、なんと創造の斜め上でした。謎解きシーンは「名探偵コナンかよ?」と思いましたが、まさかの「ザビエルの旅」とは・・・やられました。また、宗教(というか哲学)における西洋vs.東洋はかなり楽しませてもらいました。2017/05/13
ehirano1
82
薮中氏は“奇跡”は本来起きないからこそ“奇跡”であるはずなのに、人間は自分の目の前で起きたことが奇跡記であってほしいと願っている。そして奇跡を信じたいから信じる、と。だから人間とは実に不思議な生き物である、と。時と場合に依るとは思いますが、人間が何かを信じる場合、そこには理屈はない、否、必要ない場合もあるのでしょうね。上述のようなことも実際に存在しているということを認識し、認めてあげることも人間の業ではないかとも思いました。2017/11/15
ehirano1
76
「ザビエルとはもともと城に与えられた名前であり、バスク語で「新しい家」を意味する(p299)」、と。こういう豆知識が得られるのも読書の醍醐味の一つであると当方はカウントしています。小さなことでも新しいことを知るのは楽しいです。2018/06/16
セウテス
69
歴史上の偉人を名探偵とするシリーズの一つではあるのですが、本作は現代人のフリーライター片瀬が、ザビエルの時代にタイムスリップして殺人事件を推理するSFミステリーです。四つの短編からなり、最後に何故ザビエルに呼ばれるのか、明らかになってくる。しかし「黄金の灰」のシュリーマンと比べると設定もアイデアも脆弱であり、主人公のキャラも魅力を感じない。「ダイイングメッセージ」や「殺人事件」等、現代の言葉のやり取りで笑える会話も多々あるのだが、むしろ幡大介の作品の様にメタミスに徹した方が、楽しめたのではと思えてしまう。2016/05/31
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- 圓朝謎語り 徳間文庫