内容説明
まるで外科手術のような鮮やかさで切断されたへら鹿の死体が発見された。次に家畜。ついには人間にも凶行が及び、森に現れたジャック・ザ・リッパーは、小さな町をパニックに陥れる。ワイオミングの大自然と家族をこよなく愛する猟区管理官ジョーが「自分の力を超えた」相手と対決する、好評シリーズ第3弾。
著者等紹介
ボックス,C.J.[ボックス,C.J.][Box,C.J.]
ワイオミング州で生まれ育つ。牧場労働者、測量技師、フィッシング・ガイド、ミニコミ誌編集者などさまざまな職業を経て旅行マーケティング会社を経営。2001年、猟区管理官ジョー・ピケットを主人公にしたデビュー作『沈黙の森』で絶賛を浴び、主要ミステリー新人賞を独占した。ワイオミング州シャイアンに妻、3人の娘と在住
野口百合子[ノグチユリコ]
1954年、神奈川県生まれ。東京外国語大学英米語学科卒業。出版社勤務を経て翻訳家に(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ずっきん
76
戦うパパ、ジョー・ピケットシリーズ4。なんていうか、ものすごく所帯じみたスリラーである。反抗期のシェリダン、ちょっとした浮気な感情。相変わらず苦しい家計。夕メシどこー? シリアスで猟奇的な展開なのに、生活臭をガンガン盛り込んでくる。北欧ミスの、登場人物がみんなトラウマと悩みを抱えてるってのに似てるのかなあ。もう、このヌカミソ臭さがくせになる。リーダビリティは申し分なく、むちゃくちゃ面白いシリーズであると確信。今回の結末はアレだけど、こっちに舵を切るわけじゃないんだよね。2020/06/13
Panzer Leader
64
猟区管理官ジョーの担当地区で外科手術の様に切断されたムースを皮切りに、家畜そして人間にも凶行がおよび始める。犯人は一体誰なのか。灰色熊、異常者、鳥、政府の陰謀、果てはエイリアン説まで飛び出す始末。そっち方面にいってしまうのかの危惧を持つも、終盤以降真相がジグゾーパズルの様にパチパチと嵌っていく様は圧巻。凄惨な事件であったけど、ブレないのがジョー一家の人間性の良さ。この一家に幸あれと願う。それにしても灰色熊が話題に上るたびに「君の灰色熊」、「あんたの熊」と揶揄されるジョーが気の毒であった。2021/03/21
タツ フカガワ
57
ワイオミング州北部、猟区管理官ジョー・ピケットの管理区域がときならぬ新エネルギー、メタンガス・ブームで活気づくなか、異様な事件が続発する。発端は野生のヘラジカの死骸。次いで牛12頭が、さらに牧童が外科手術のような手際で顔面の皮を剥がれ、腹を切り開かれた姿で発見される。2作目を飛ばして読んだシリーズ3作目はオカルト風味もあるサスペンスで、安定の面白さ。ただ1作目でジョー夫妻の養女になったエイプリルがいないわけも気になれば、魅力的な脇役ネイトも前作から登場したようで、どうにも2作目が気になった読書でした。2024/08/27
goro@the_booby
48
猟区管理官ジョー・ピケットシリーズ3弾。鋭利な刃物で切り裂かれたようなムースを発見したジョー。牛や馬の被害がとうとう人にも及んだ。特別チームに加わったジョーは前作で共闘したネイトと共にオカルト的な事件を追う。ジョーの奥さんや娘たちとの関係も描きながら今回は見えないものも感じさせながら読ませる。ジョーとネイトのコンビがいいし引き続きシリーズを追いますわ。2017/04/01
mayumi
30
えええ、それが最終的な解決なのお!?と思ったのは私だけではないはずだ…。もちろん、本筋の殺人事件の黒幕には驚かされたけど、もっと驚かされたのは、X-ファイルのようなラストだ。途中からネイトが訳わからんこと言い出したと思っていたが、まさかこんなオチだとは(いや、オチにもなってないな…)。それにしてもこのシリーズ、子供が辛い目にあうなあ。ジェシカが可哀想でならない。2020/05/16
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