内容説明
粋で婀娜な、天女湯の女あるじ・おれん23歳。お江戸八丁堀の真ん中にあるこの湯屋には仕掛けがあった。男湯に隠し階段、女湯には隠し戸、どちらも隠し部屋につながっている。おれんは番台に座って男女の仲を取り持つという案配。辻斬り、窃盗、心中、お家騒動。次々と起こる騒動の中、おれんの恋は実るか。
著者等紹介
諸田玲子[モロタレイコ]
静岡市生まれ。上智大学英文学科卒。1996年『眩惑』でデビュー。2003年『其の一日』で吉川英治文学新人賞を受賞。’07年『奸婦にあらず』で新田次郎文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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はつばあば
53
先ずびっくり!。諸田さんがこれだけの色モノを書かれるなんて、何があったのでしょうと聞いてみたいです。作家さんですからあれこれと勉強されたのでしょうが・・。八丁堀で湯屋を営みながら男女の仲を取り持つ。勿論手数料も頂けるわけですが・・女客にとってお金も男も欲しいってとこでしょうか(;´∀`)。辻斬り、湯屋での窃盗、おれんが拾った男はお家騒動の渦中。天女湯の従業員はいっぱいの事件に巻き込まれますが、杵七が文字を覚えたのはいい事でした。2022/05/25
優希
44
ちょっとエロティックな銭湯の物語でした。天女湯の女あるじおれんと風来坊の武士の恋を軸に展開する話がとにかく面白かったです。番台に座るおれんは訪れる男女の仲を取り持っていますが、これって今でいう出会いの場みたいなものですよね。窃盗、心中、お家騒動なんかもあったりして気が気じゃないですけど。しかも銭湯そのものに男湯に隠し階段、女湯に隠し扉なんて粋じゃないですか。様々な騒動と恋の花咲く銭湯話、堪能させて頂きました。2014/09/15
UK
25
湯屋の女あるじ・おれんの恋を描く時代話。天女と慕われているが可愛い悪女である。全体のトーンは人情譚なのだけど、うーん、人物の魅力がいまいち実感とならない。描きこみは結構丁寧で表現したいことはよくわかるんだけどね。以前何か読んだっけ?と確認すると初読みの著者さん。これで終わっちゃうかな。 2016/03/02
ビグ
24
諸田玲子さん初読み。江戸の八丁堀に構える天女湯、女主のおれん。三助の弥助、与平おくめ夫婦と毎日湯屋を切り盛りしている。そして湯屋の他にも裏家業。色事をするための隠し部屋を必要な人のために提供している。それもこれもお上に楯突く心意気からきている。商売繁盛のなか辻斬りや盗人騒ぎ、敵対する大黒屋からの嫌がらせなど事件は次々起こる。同時に密かに恋心を抱く相手との出会い。事件、恋愛、色話…400ページ越えの割にはサクサクと気軽に読める。おもしろかったので、続編も読もうっと…。2021/01/24
りこ
12
ちょっと話しが詰め込み過ぎな気がしますが、おれんには好感が持てました。左近さまはこの先出て来ないのかな?再登場を希望(笑)2015/04/10
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- 和書
- 高倉健、最後の季節。