講談社文庫
最後の言葉―戦場に遺された二十四万字の届かなかった手紙

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  • サイズ 文庫判/ページ数 327p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062757874
  • NDC分類 916
  • Cコード C0195

出版社内容情報

妻に、子どもに、父母に、恋人に――最後に伝えたかった大切なこと
激戦地で日本軍将兵が書き遺した「小さな言葉」が60年の時を越えて、あなたに語りかける

第2次世界大戦の激戦地に日本軍将兵が遺した膨大な手紙や日記、手帳が見つかった。60年の時を越え、彼らが伝えたかった言葉は遺族のもとに届くのか?僕たちは間に合ったのだろうか? NHKハイビジョンスペシャル『最後の言葉?作家・重松清が見つめた戦争?』で話題を呼んだ感動ドキュメンタリー。

私は困惑した。当然、喜んでもらえると思っていたからである。戦争を知らない若造の出過ぎた行為だったのか。「ハイって渡されて感動する、そんな簡単なものじゃなかと。何せあれから60年もたっているけんね」――<第1章より>

重松 清[シゲマツ キヨシ]
著・文・その他

渡辺 考[ワタナベ コウ]
著・文・その他

内容説明

第二次世界大戦の激戦地に日本軍将兵が遺した膨大な手紙や日記、手帳が見つかった。六十年の時を越え、彼らが伝えたかった言葉は遺族のもとに届くのか?僕たちは間に合ったのだろうか?NHKハイビジョンスペシャル『最後の言葉―作家・重松清が見つめた戦争』で話題を呼んだ感動ドキュメンタリー。

目次

序章 二〇〇二年夏の出会い
第1章 「わが妻、シズエへ」―サイパン島で戦死した海軍将校が家族に遺したメッセージ
第2章 「節子の肌、恋し」―飢餓と疫病のガダルカナル島から恋人を想う
第3章 「雨宿り虫も一緒で椰子の蔭」―ニューギニアにユーモラスな詩人がいた
第4章 「戦争は、悲しい」―死にたくないとソロモン戦線で念じ続けた二十三歳の無念
終章 次の世代に伝えたい

著者等紹介

重松清[シゲマツキヨシ]
1963年岡山県生まれ。早稲田大学教育学部卒。出版社勤務を経て、執筆活動に入る。1999年『ナイフ』で第14回坪田譲治文学賞、『エイジ』で第12回山本周五郎賞、2001年『ビタミンF』で第124回直木賞受賞。話題作を次々発表するかたわら、ライターとしても、ルポルタージュやインタビューを手がける

渡辺考[ワタナベコウ]
1966年、東京都生まれ。早稲田大学卒。’90年、NHKに入局。’95年8月から2年間、青年海外協力隊員としてミクロネシア連邦ヤップ州政府放送局に勤務した経験を持つ。主なテレビ作品に、『もういちどつくりたい―テレビドキュメンタリスト木村栄文の世界』(ギャラクシー賞テレビ選奨)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

yoshida

159
大東亜戦争の激戦地、南洋。サイパン、ガダルカナル、ニューギニア、ソロモン。激戦地から発見され連合国の資料として残された日本軍将兵の日記や手記。それらの資料を遺族へ届ける旅。読んでいて気づくのは、日記や手記には本音が現れるということ。補給も途絶し葉書もない。物理的に届かない日記や手記に検閲はない。そこには祖国に残してきた妻子への、両親への、兄弟への、恋人への絶唱がある。彼等の真の苦しみを私は理解できていないと思う。しかし、これから同じ惨禍に遭わないように微力でも努力することは出来る。それが責務だと思うのだ。2017/11/19

Shinji Hyodo

87
戦後60年を迎える年に企画されたドキュメンタリー製作のために重松さんとテレビディレクターが辿った長く苦しい旅の総括。『太平洋戦争』南方戦線での徒手空拳での戦い。先日読んだ『指の骨』にも描かれていたが、亡くなった兵士の大多数がマラリヤ等の病死とそれにも増して兵站を絶たれたことによる『餓死』という事実。そんな中で故郷に残した妻や家族を想い書き綴られた手紙や日記が60年の歳月を経て遺族の元に届けられた。今年は敗戦後70年…ただいまと言えなかった兵士とおかえりと迎えられなかった遺族の想いが風化せぬように。合掌2015/08/17

いつでも母さん

85
ほぼ10年振りの再読。きっと感じ方が違う様な気がしてる。あの頃はまだシベリア抑留の経験を持つ私の父も健在。子供中心の生活の中でドタバタしていたからかなぁ(汗)この本との出合いは『悔しい』し『虚しい』・・お国の為かぁ・・何だったんだろうね。洗脳し合い、酔っていたのだなぁこの国は。上に立つ者が賢くないとと教えてくれているよね。この作品の中の小さな声達が!今こそこの国の政治を司る方々に聞いて欲しい。靖国参拝だけじゃなく、形だけじゃなく、未来の小さな声達も。重松作家ならではの「ただいま」「おかえり」がしみる。2015/08/25

キンモクセイ

57
第二次大戦の激戦地に遺された手紙や日記が見つかった。サイパン、ガダルカナル、ニューギニア、コロンバンガラといった南方方面は生きて帰るのは無理だろうと言われていた。米軍は戦死した将兵が書き遺した文書を集め翻訳して戦略を分析していたのにも驚いた。愛する人に届けたかったが届かなかった想いを知る事ができたが、文章だけを目で追っていくと頭には入っても心で理解するのには時間がかかった。大本営の戦陣訓「生きて虜囚の辱めを受けず」玉砕や集団自決が正義なのか。これが教育の恐ろしさか。戦争は何も生まれない失うばかりだ。2020/08/16

瑪瑙(サードニックス)

45
8月中に読み終えたかったのですが思ったより時間がかかってしまいました。私にとってはあまりにも内容が重かったです。日記が60年の時を経て家族の元に届くとは亡くなられ方々も想像できなかったことでしょう。その言葉の重みに押しつぶされそうでした。日記を書かれた方々と同じ立場に立ったらと想像してみましたが、とてもじゃないけれども耐えられないと思いました。そんな過酷な状況にありながら日記をどんな思いで綴られたのでしょう。戦争とは?平和とは?書かれてあるように戦争を知らない私は本当の所分かっているのか自信がありません。2015/09/05

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