出版社内容情報
別れるしかなかった。ふたたび逢うこともなかった。言葉にすると、想いはこぼれおちてしまう。いつまでも心にのこる青春小説。別れるしかなかった。ふたたび逢うこともなかった。
言葉にすると、想いはこぼれおちてしまう。
いつまでも心にのこる青春小説。
生きることに無器用なひとなのね、それが私にはいとしかった――葉月さんは亡くなる前、娘の弥生と幼なじみの僕に話してくれた。かつて別れた恋人のことを。弥生はその男の向かいの部屋に住み、彼の講義を聴きに短大に通った。「お父さん」と、一度も告げられずに。卒業式の日、僕は弥生の帰りを待つ――。
その時ねえ。私、初めてあのひとがわかった気がした。何にも言わないから鈍いみたいに見えるけど、本当は逆なんだ。思ったことをなかなか口にしてくれないのは、言葉にするとこぼれてしまうものがたくさんあるってことを、よく知っているからなんだな、ってね。ねえ、弥生。あんたもこの先、誰かを好きになるかもしれない。そういう時に、その恋がほんものかどうか、見分ける方法がひとつあるよ。――<本文より>
村山 由佳[ムラヤマ ユカ]
著・文・その他
内容説明
生きることに無器用なひとなのね。それが私にはいとしかった―葉月さんは亡くなる前、娘の弥生と幼なじみの僕に話してくれた。かつて別れた恋人のことを。弥生はその男の向かいの部屋に住み、彼の講義を聴きに短大に通った。「お父さん」と、一度も告げられずに。卒業式の日、僕は弥生の帰りを待つ―。
著者等紹介
村山由佳[ムラヤマユカ]
’64年東京都生まれ。立教大学文学部卒業。会社勤務、塾講師などを経て、’93年『天使の卵』で第6回小説すばる新人賞を受賞。2003年『星々の舟』で第129回直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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