内容説明
弟の月命日に墓参りをした恵は、墓前に皮を剥かれた蜜柑があるのを見た。柑橘類が好きだった弟への妻・美也の思いやりと思っていたが、そうではないと知り、ひそかなわだかまりを感じる。「菊日和」他、必ずしも幸福ではなかった死、誰の胸にもある奥深く秘められた物語を、静かな筆致で描きあげる傑作6編を収録。
著者等紹介
津村節子[ツムラセツコ]
1928年6月福井市生まれ。学習院短期大学国文学科卒業。’65年「玩具」で第53回芥川賞を受賞。’90年「流星雨」により第29回女流文学賞、’98年には「智恵子飛ぶ」で芸術選奨文部大臣賞を受賞。また2003年、第59回恩賜賞・日本芸術院賞を受賞している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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