内容説明
マンハッタンの象徴・聖パトリック大聖堂が、年に一度の大パレードの最中、武装集団に乗っ取られた。人質は美貌の元テロリストや要人達。いちはやく現場に到着した警部補バークは犯人にまみえるが…。予告爆破時刻まで12時間、NY市警の死力を尽くした奪還作戦が始まった。名匠デミルの若き才能煌く傑作。
著者等紹介
デミル,ネルソン[デミル,ネルソン][DeMille,Nelson]
1943年ニューヨーク生まれ。1985年ヴェトナム戦争をテーマにした軍事法廷小説『誓約』で注目を浴びる。その後、話題作を次々に発表。アメリカを代表するミステリー&エンタテインメント作家のひとり
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
goro@the_booby
57
ニューヨーク五番街の聖パトリック教会が元IRAテロリストに4人の人質とともに占拠された。夜明けまでにイギリスで囚われている囚人の解放がなされない場合、人質の命の保障は無く美しい大聖堂は爆破される。当日の大パレードをぬいながら不穏な情報を探る市警警部補バークだったが駆けつけた聖堂の扉は目の前で閉じられてしまった。混乱するパレードの中を馬で疾駆するシーンは印象的。交渉に応じるわけも無く突入することになるのかと下巻へ。2022/06/06
KAZOO
36
初挑戦の作家です。これもどなたかの推薦で読みたいと思っていて積読でしたのを読み始めました。ケン・フォレットの大聖堂のようなものではなく、サスペンス・ミステリーです。登場人物が多く、またアイルランド紛争を理解していないと若干わかりずらいところもあると感じるのですが、それを差し引いても読者をぐいぐいひぱっていくちからは大したものだと思いました。この作者も私の好みになりそうです。2015/01/10
對馬 正晃
5
イマイチ乗り切れず、読了までかなり時間がかかりました。ジョン・コーリーのシリーズのような軽妙さはなく、とても重厚。後半から終盤にかけてやっと動き出したかと思いましたが、同じくぶ厚い下巻が待っている・・・(苦笑)頑張ります!2016/04/12
Tetchy
3
デミル1981年の作品。デミルの未訳作品がこうして講談社から発表される意義を高く買うが、やはり約四半世紀前のデミルは若書きがどうしても目立ってしまい、ページ数の割には物語が雑だったという印象が残る。まず一介の警部補であるバーク。彼に設定を盛り込みすぎだ。しかもこれがデミル作品の主人公とは思えぬほど、キャラクター像がはっきりしない。またカリスマ性を発揮する敵役のフリン。しかしそれとは裏腹にストーリーが進むごとに人間的厚みが薄くなっていく。う~ん、なんだかちぐはぐだ。2009/09/11
メコノプシスホリデュラ
2
1984年3月17日~18日、IRAの一派「フィアナ騎士団」によりニューヨークのパトリック大聖堂が占拠された、というフィクション。もともとあの年代のニューヨークの街や大聖堂の様子、聖パトリックの日のパレードについて知りたかったという不純な動機からの読書なので、我儘ながら人物や伏線の多さにちょっと辟易してしまったが、冒頭のアイルランドの田舎や僧院、ドルイド信仰的な雰囲気、マンハッタンの街路の描写など楽しめる部分も多かった。2015/07/26