内容説明
「税法の穴を潜り抜ける天才的な才能に、してやられてきた」と、田中角栄元首相の金脈問題を調査していた東京国税局幹部は天を仰いだ。「天才税理士」の顔も併せ持っていた角栄とその娘・真紀子。その二代にわたる「マルサ」を含めた国税当局との息詰まる激闘を描くノンフィクション。
目次
序章 一〇〇年に一人の天才
第1章 娘に引き継がれた「税金逃走」
第2章 田中角栄VS.磯辺律男
第3章 「マルサ」と巨悪
第4章 消えた八〇〇〇万円
第5章 九億円で転売した土地
第6章 遺産相続の「落とし穴」
第7章 ねたみ、そねみ、やっかみ
終章 真紀子のそれから
著者等紹介
立石勝規[タテイシカツノリ]
1943年青森県弘前市生まれ。東北大学卒業後、毎日新聞社入社。東京本社社会部副部長、編集委員、論説委員、論説副委員長などを歴任。この間、三越疑惑、田中新金脈、金丸元副総裁脱税事件、金融総会屋汚染などを取材する。退社後、現在アサヒビール顧問
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感想・レビュー
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うたまる
1
「あえて言わせてもらえば、田中の納税方法は脱税と節税の間の”逃税”である。税法の穴という穴を知り尽くし、そこを巧妙にかいくぐって、違反すれすれで税金から逃れる」……意外に知られていない田中家と国税庁の納税を巡るバトル。当初は角栄の政治力に萎縮して徴税できなかったのだと思っていたが、実はプロをも翻弄するあの手この手の税の奇術師ぶりに驚いた。その真骨頂は、赤字会社が黒字会社を吸収する”逆さ合併”。徹底的に逃税する姿勢に、国民的人気という冠言葉も空々しい。そして、真紀子の時代に一矢を報いた国税庁にちょっと溜飲。2015/04/11




