出版社内容情報
同じようにみえる家で送る同じような生活。その、ハズだった……。ほんのちょっとした契機で、人はこんな風に落ちていく。この小さな幸せは、誰にも壊させない。
2002年版「このミステリーがすごい!」第2位
第4回大藪春彦賞受賞
及川恭子、34歳。サラリーマンの夫、子供2人と東京郊外の建売り住宅に住む。スーパーのパート歴1年。平凡だが幸福な生活が、夫の勤務先の放火事件を機に足元から揺らぎ始める。恭子の心に夫への疑惑が兆し、不信は波紋のように広がる。日常に潜む悪夢、やりきれない思いを疾走するドラマに織りこんだ傑作。
奥田 英朗[オクダ ヒデオ]
著・文・その他
内容説明
及川恭子、34歳。サラリーマンの夫、子供二人と東京郊外の建売り住宅に住む。スーパーのパート歴一年。平凡だが幸福な生活が、夫の勤務先の放火事件を機に足元から揺らぎ始める。恭子の心に夫への疑惑が兆し、不信は波紋のように広がる。日常に潜む悪夢、やりきれない思いを疾走するドラマに織りこんだ傑作。
著者等紹介
奥田英朗[オクダヒデオ]
1959年岐阜県生まれ。プランナー、コピーライター、構成作家を経て1997年『ウランバーナの森』(講談社文庫)でデビュー。第2作目の『最悪』が話題となりロングセラーに。『邪魔』で第4回大薮春彦賞を受賞
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
560
『空中ブランコ』の伊良部医師のイメージが抜けない奥田英朗だが、この小説ではきわめてシリアス。小説作法も凝っている。プロットの進め方が単線的ではないのである。読者によって受けとめ方も違うと思うが、私から見れば主人公は恭子と九野の両方である。事件を通じて接点が生じるものの、本来は別個の生活があり、属する社会があった。読者としては両者に感情移入してしまうのだが、そうすると、それぞれの置かれた状況があまりにも理不尽であり、またせつない思いにとらわれるのである。下巻がどんな展開を見せ、また収束して行くのか楽しみだ。2018/09/06
Atsushi
210
上巻を読了。夫に放火の容疑がかかるパート勤めの主婦及川恭子、愛する妻を身篭ったまま交通事故で失った刑事九野薫、非行に走る高校生渡辺裕輔の3人が少しずつ接点を持ちながらストーリーは展開する。その他の登場人物も多くなかなか先が読めないもどかしさ。悶々としたまま下巻へ。2018/07/10
ehirano1
173
「最悪」よりもゆったりとしたペースで”案の定の群像劇”が展開していきます。でも、こういうの先が分かってても読んでしまいます。ところで、喫茶店に上座と下座があることを本書で初めて知りました・・・喫茶店に取って代わったスタバにもあるのでしょうか?2016/05/26
AICHAN
153
Book-Off本。奥田英朗の作品にしては読みにくい。ぐんぐん読めなかった。伏線が幾重にも張られ、それぞれ細かい描写が続くので、話がなかなか前に進まない。1冊の本を読むのにこんなに時間がかかったのは実に久しぶりだ。図書館に寄贈。2019/08/09
イアン
148
『最悪』『無理』と並ぶ奥田英朗のネガティブワード3部作。パート従業員の恭子は、夫の勤務先の放火事件を機にある疑惑を持つ。7年前に事故で妻を喪った刑事・九野は、放火事件を追う中で警察と暴力団、企業との癒着に気付く。不良高校生・祐輔を含めた3つの群像劇の交わる先に待ち受ける未来とは…。発端は横領とボヤ程度の放火なのに、そこから派生する負の連鎖が凄まじく、重厚なクライムサスペンスのリアリティに圧倒される。ここまでは「崩壊」の方がタイトル的にしっくりくるが、誰にとって何が「邪魔」なのか、下巻に期待しつつ進みます。2022/04/16
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