内容説明
巨人現る!前代未聞の怪事件に自衛隊が出動する大騒ぎとなる。ところが、巨人とコミュニケーションがはかれることが判明した。危害はないとわかった途端、官僚たちは管轄官庁を押しつけあい、一方では金儲けを考えて算盤を弾く者が出てくる。この怪物の正体は何なのか?究極のエンターテインメント。
著者等紹介
楡周平[ニレシュウヘイ]
1957年生まれ。米国企業在職中の1996年に出版した初の国際謀略小説『Cの福音』(宝島社)が、いきなりベストセラーとなる。その後、『クーデター』『猛禽の宴』『クラッシュ』『ターゲット』『朝倉恭介』(以上、宝島社)、『青狼記』(講談社)など数々のヒットをとばし、スケールの大きい書き手として注目を集めている
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感想・レビュー
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chiru
119
ハードボイルドな楡修平さんのパニック小説は予想を超える面白さ!! 九十九里浜に突如現れた身長100mの謎の生物。その生物は胸に「熊田工務店」と刺繍された作業着を着て黄色いヘルメットを被り、博多弁を話す。巨人のイメージとは違い、素朴で誠実で愛らしい虎之助。自衛隊員と虎之助の博多弁の会話に、ほのぼのして、たっぷり笑った!大雨で孤立した作業員の救出劇は虎之助でしか成し得ない。救助終了と同時に消えた虎之助はいったいどこへ…?損得を判断基準にする社会で、最も人間らしく生きた虎之助が愛おしくなる物語でした。💕★52021/10/13
NADIA
47
ある日突然、千葉県の九十九里浜に身長100メートルを超える巨人が現れた。その巨人は博多に住む上田虎之助と日本語で名乗った。これがタイトルのガリバーである。このガリバー虎之助さんをめぐって繰り広げられるドタバタ。もちろんある程度のドタバタは予想していたが、それをはるかに超えていた。なるほど!と思わされる部分も多く、特に経済界の動きが妙にリアルに感じた。十分に面白かったが、欲を言えば、もう少しガリバー虎之助の活躍を見たかったかな。2021/11/04
10$の恋
46
馬鹿馬鹿しいと思うこと自体バカバカしくなる傑作!常識や理論を超越した展開と面白さ♪上田虎之助は土木作業員、ある日突如オゾン磁場に巻き込まれ、100mの大男になって九十九里浜に現れた。さて、巨大化した自分にパニック、官僚や政府は管轄のなすり合いでパニック、虎之助の厄介な生理現象でパニック、しかし(利用したら儲かるのでは?)と、一転大手ゼネコンや広告代理店などが利権パニック。虎之助の純朴な性格と、自衛官郷田との友情が胸を打つ。博多弁がまたいいね!風刺も効いた大スペクタクルに、まだワクワクが止まらない(笑)。2022/09/22
白のヒメ
46
突然、千葉の九十九里浜に100メートルを超す巨人が現れた。作業着を着て首には工務店のタオルがかかっている。果たして、一体この巨人は何者なのか、これに対して日本政府はどうするのか・・・。いやー、面白かった。日本現代版「ガリバー旅行記」想像以上にリアルに読み進められたのは、作者おかげ。政治とか世間の情勢とかに疎い私は、楡さんのストーリー展開で、こういう異常事態に対してどう国が動くのか勉強になった。途中経過も最後も納得。これは本当にエンターテイメントだ!2020/12/15
ひろ20
38
読メに入っていて良かった。面白かったです、読メの醍醐味ですね。九州博多で普通に暮らしていた作業員が、作業中に強烈な磁場によって100mの大男となってしまった!現れた場所は千葉の九十九里浜。ゴジラ映画で見るような大パニック、警察、自衛隊、政府やらもう大変な騒ぎ。ご飯、排泄問題がそうだよね〜、そうなるよね〜と読んだ。大男になった上田虎之助が喋る博多弁がいい味出してます。素朴な人柄が良かった。最後はどうやって着地するのかと思ったら、うん?どういう事?私の頭では理解できないけど、めでたしめでたし。2022/10/04