内容説明
都会・女性・貨幣・社会学現代思想の中心的問題群を伐り拓いた清新な思想。
目次
プロローグ ジンメルという哲学者がいた
第1章 ベルリンの哲学者
第2章 都市の哲学
第3章 両性具有者の女性論
第4章 時代の病理学
第5章 近代の感情装置
第6章 「哲学的文化」
第7章 生の形式
第8章 エッセーの思想
エピローグ ジンメルとともに思考は装飾となる
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Shin
11
図書館本。ジンメルのことは全く知らなかったけど、魅力的な哲学者だなと思った。ヘーゲルとハイデガーの間の、哲学をするには平和すぎる時代を生き、しだいにアカデミズムの中で硬直化しようとする思想・哲学にゲリラ的な挑戦を繰り返した華やかな知性。様々な意味でマージナルであり、ディレッタント的でもあるが、知性というものが思想や社会とどう関わり、どう貢献できる可能性があるのか、という本質的な意味を、カントやヘーゲルとは対極的な意味で「体現」した人なのだなという印象。2012/06/16
ぬえ
1
ユダヤ人として生き、反ユダヤ主義の犠牲者になりながらもドイツ人として生きようとしたジンメル。都市の哲学、女性論、貨幣の哲学、生の直観その他さまざまなことがあったが、印象的であったのは売春の問題である。売春、つまり「商品としての性」は女性的な問題であったが、性における経済性が時代の経済的性格をあばきだす。性関係という人間関係を「貨幣」はあざやかに始末する。この始末する、片をつけるということは金の魔術的な効用である。2015/05/14
竹田の里
0
図書館の本2016/10/30
えむ
0
ジンメルの生涯と思想を紹介。社会学史で学ぶジンメルとはまた違ったいくつかの側面から彼の思想にアプローチできた。2016/08/27
ハニ
0
売春についての話は面白かった。境界の自己理解の形式のため自覚することで克服可能となるというのはクリシュナムルティーの思想と関係があるのだろうか2012/06/18