出版社内容情報
【内容紹介】
首なし死体、密室、蘇る死者、見立て殺人……。京都近郊に建つヨーロッパ中世の古城と見粉うばかりの館・蒼鴉城を「私」が訪れた時、惨劇はすでに始まっていた。2人の名探偵の火花散る対決の行方は。そして迎える壮絶な結末。島田荘司、綾辻行人、法月綸太郎、三氏の圧倒的賛辞を受けた著者のデビュー作。
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公開本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
麦ちゃんの下僕
189
えっ!?ええっ!?!?ええ~っ!?!?!? これほど数多くの“驚愕”に満ちた作品を僕は知りません…ほんと麻耶さんは読者を何回ぶん投げれば気が済むのでしょう(笑) 京都近郊に建つ今鏡家の洋館「蒼鴉城」で繰り広げられる“一族皆殺し”という展開は、ヴァン・ダイン『グリーン家殺人事件』を思わせる雰囲気がありますが…まさか真犯人の狙いは“あちら”だったとは!! そして、木更津悠也&香月実朝vsメルカトル鮎…最後に“真相”に辿り着くのは!? ミステリー初心者には向かない、コアなファンだからこそ楽しめる“傑作”です!!2023/04/29
Tetchy
184
一読した直後の感想としては、なんとも云えない感慨が押し寄せている。島田荘司の『水晶のピラミッド』を読んだ直後のよう、といえば判ってもらえるだろうか。この小説を読むのに、読者は予備知識を要求される。それは海外古典ミステリを読んでいることだ。でないとこの作品に散りばめられたペダントリー、特に連続殺人に込められたミッシング・リンクの妙は愉しみが半減するだろう。そしてこの一種ミステリマニアのための真相もエピローグにてある兆しがあったことを明かされる。しかし、あの真犯人はないだろう。実行面で無理がありすぎ!2010/02/10
hit4papa
169
素封家の豪邸で起こる連続斬首殺人事件。ドロドロの人間模様の中で展開される不可能犯罪は、昭和初期の探偵小説のようですが、二転三転(さらに転々)する真相には唖然茫然です。衒学的ともとれる書きっぷりに惑わされ、あり得んというツッコミをする事すら忘れてしまいました。どこまでも大きくなる風呂敷は、畳んでいるのやら、ほったらかしているのやら。探偵役の交代劇もさることながら、副題の意味そものものに衝撃を受けてしまいました。アンチミステリという表現が正しいかはわかりませんが、既成の概念をぶっ壊した作品であるのでしょう。2016/11/30
nobby
127
シリーズ一作目にして最後の事件…この不思議さばかりに気が入ってしまうが、その言葉通りなだけで、むしろ木更津という探偵役が活躍(笑)京都北部の館・蒼鴉城に住まう今鏡家で起こる惨殺劇。首斬り・密室・中世欧州な雰囲気など魅力いっぱいだが、何か退屈に読み進める感じ。ようやく第二部でのメルカトル鮎登場、そして驚きの即座に退場から引き込まれた。後半でのぶっ飛びの推理やラストでの驚愕な二転三転は苦笑しながらも嫌いではない。それでも微妙な読後感はワトソン役な香月の胡散臭さ故かな…2017/04/12
ダイ@2019.11.2~一時休止
115
メルカトル鮎&木更津悠也その1。デビュー作。壮大すぎるトリックには驚きすぎて何と思うが、そこがまた良かった。2013/10/03
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- 和書
- 京都御所 (新訂)