内容説明
無垢な魂を持つ知的障害者の夫を支え、ひとりで養豚場経営に汗を流す妻。安宅家の平穏な生活は、しかし、事業に失敗して転がりこんだ夫の弟夫婦によって破られる。軽薄才子の彼は、ひそかに財産を狙い兄をそそのかす。さらに、優しく清純な義妹に、夫がほのかな恋心を抱いていると知った妻の驚愕と苦悩。純粋さゆえに傷つけあわざるをえない男女の姿を通して幸せの意味を問いかける感動の名作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佑依-Yui-
2
知的障害の夫を抱え養豚場の経営者としても奮闘する主人公と、軽率な義理の弟、優しく清純な義理の妹…講談社の大衆文学館シリーズは表紙にあらすじが書かれており、何気無く読むとたちまち昼ドラ的(実際にも昼ドラ化されていたそうですね)展開に興奮してしまい購入。中身は想像よりもどろどろとした要素は少なく、若干の物足りなさも。欲を言えば夫と義妹が結ばれて欲しかった…と言う野次馬的要望が出てきたりと。でも面白かった!2015/10/01
イコ
1
吉屋信子は少女小説くらいしか読んだことないが、その雰囲気は醸し出している物語だった。精神障害者の夫(男)とその周りの物語が中心になるので、現在だと精神障害者の扱いで何やかと言われそうなので昔ならではの物語だろう。家族に精神障害者を持ったことないので家族とか取り巻きがあんな行動するのか分からないが、義妹との関係が薄氷を踏むようで面白かった。あそこまで行くと結末はああなるしか無いのだろうが、それが少し寂しい気がした。あと少しで自由に振る舞う事ができた気がするが、女の友情が破綻するからあの結末なのだろう。2020/11/13
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- noicomi※このキスはフィクション…