講談社選書メチエ<br> 冷えと肩こり―身体感覚の考古学

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講談社選書メチエ
冷えと肩こり―身体感覚の考古学

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  • サイズ B6判/ページ数 203p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784062585842
  • NDC分類 490.21
  • Cコード C0339

出版社内容情報

なぜ日本人だけが肩こりや冷え性に悩むか。身体感や病をめぐることばの歴史を古代中国や江戸まで遡り、症状の根本に迫る知的興奮の書

「肩こり」を外国人に伝えようとしても、英語にも中国語にも訳語は見当たらない。日本人以外は肩がこらないから、とも言われる。冷え性に悩む女性は日本に数多くいるが、これも海外では治療の対象ではない。つまり、肩こりや冷えはわが国にしか存在しない病といえる。逆に、「うつ病」は西洋の病として捉えられてきた。中国や江戸の医学史研究をベースに、肩こり、冷え性、うつ、疝気などの「構造」をさぐる。

内容説明

われわれにとってありふれた症状である「冷え」「肩こり」は、日本人固有のもので、外国語に翻訳できない。また「うつ病」はもっぱら「西洋的」な病として語られ、「非西洋」の国では歴史的に稀であった―。日本人にとって身体的な苦痛はどこからくるのか?冷え性は近代になって、いかに病として発見されたのか?時代と文化で異なる身体感覚の謎に迫る。

目次

第1章 冷え性の発見
第2章 肩こりの謎
第3章 まなざしとことば
第4章 せんきの病
第5章 庸医―江戸の民間医師
第6章 江戸の体内想像図―『飲食養生鑑』と『房事養生鑑』
終章 再発見される身体感

著者等紹介

白杉悦雄[シラスギエツオ]
1951年、北海道生まれ。1975年、中央大学法学部卒業。1994年、京都大学大学院文学研究科博士後期課程修了。京都大学博士(文学)。現在、東北芸術工科大学大学院芸術工学研究科長、同大学教養教育センター長。専門は中国及び日本の医学思想史、中国科学史。日本中国学会賞(哲学・思想部門)受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Kei

9
肩こり、欧米にも中国にもないそうな。中国にはあると思うでしょう?なんで、どうして?と、読んでみました。まあ、考えてみれば、彼らの骨格には、私のような、なで肩はないなあ。(笑)2015/01/31

ぼけみあん@ARIA6人娘さんが好き

5
欧米には肩こりに当たる語がなく、そのため肩こりそのものがないと以前から聞いていて、その辺の話をもう少し詳しく知りたかった。本書はその辺の事情を扱っているらしいので購入。言語と文化の関係は予想していたほど書かれていなかったが(著者が元々その方面に疎いのかも知れない)、江戸時代に流行った疝気という病が、西洋医学の導入による身体観の変化に伴って存在すらしなくなったという指摘にはちょっと驚きを覚えた。中々興味深い内容だったし、参考文献に上げられている本も読んでみたい(ただ、専門書ですごい高いものが多いw)。2014/09/23

mochi

3
肩こりは欧米や中国でも概念がない。冷え性は明治時代の頃から使われていた。日本人固有と思われる病気についての章もある。病気の説明よりも、江戸時代の人が人体というものにどのような関心を抱いていたかなどは興味深かった。しかし、江戸時代は医師国家試験なんてものはなかったため、藪医者も多く存在していたようだ。そういったことを考えると、ある意味で現代はまだ安心できると感じた。2019/06/11

ダンスにホン!ころりん

2
20140810第1刷発行 160526読了 青年であれ老年であれ元気を惜しまなければならない。…壮健であるからといって元気を使いすぎてはいけない。 養生訓 なるほど2016/05/26

mercury

2
日本にしかない肩こりという言葉、身体感覚をとっかかりにして、言葉が病気をどのように表現してきたか、その表現の背後にはどのような考え方があるのかを過去の文献を紐解き解きほぐしてゆく。とても興味深いが難しい漢字が多くて読むのが大変だった。子供の頃、時代劇で聞いた「持病の癪が」という台詞の意味がよくわかった。2014/12/23

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