講談社選書メチエ<br> 満州事変と政党政治―軍部と政党の激闘

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講談社選書メチエ
満州事変と政党政治―軍部と政党の激闘

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  • サイズ B6判/ページ数 258p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784062584807
  • NDC分類 210.7
  • Cコード C0321

内容説明

従来考えられていた以上に堅固だった戦前政党政治が、なぜ軍部に打破されたのか。そこには陸軍革新派による綿密な国家改造・実権奪取構想があった。最後の政党政治内閣首班、若槻礼次郎の「弱腰」との評価を覆し、満州事変を画期とする内閣と軍部の暗闘が若槻内閣総辞職=軍の勝利に至る八六日間を、綿密な史料分析に基づき活写する。

目次

第1章 発端―柳条湖鉄道爆破
第2章 東京・三宅坂―陸軍省・参謀本部
第3章 東京・永田町―首相官邸
第4章 奉天―関東軍司令部
第5章 構想の対抗―政党政治と昭和陸軍
第6章 満蒙新政権への対応
第7章 北満進出と錦州攻撃をめぐる攻防
第8章 若槻内閣総辞職と荒木陸相の就任

著者等紹介

川田稔[カワダミノル]
1947年生まれ。名古屋大学大学院法学研究科博士課程修了。現在、名古屋大学大学院環境学研究科教授。法学博士。専門は、政治外交史、政治思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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17
満州事変後の若槻内閣は陸軍対応グッダグダでどうしようもねえわ…という定説を、いや彼は彼なりに一生懸命頑張って、ある程度は抑えてたよという本。…でも結果は同じだったのだ(天を仰ぐ)この時代の組閣みてると、軍部との対立もそうだけど、天皇の自称代弁者である元老とか野党のみならず政党内部での争いとかまさに四面楚歌でなあ…。今みたいに野党だけでもグダグダなのに、そこに宮中と軍も加わるんだからまとまるわけない。永田鉄山が何かっていうと、腰のサーベルカチャカチャ鳴らして政治家を恫喝してたという記述にアーってなりました。2019/11/30

樋口佳之

13
「宮中のこと」のためには、「何物をも犠牲に」しなければならない。西園寺は、このような判断を一つの重要な要因として、若槻への大命再降下を断念/陸軍の若い士官の結社の状況からみて……あるいは陸軍のなかに赤が入っていはしないか」、として皇室存在を取り巻く状況について憂慮していた。たとえば、世界の歴史をみると、革命によって王室の滅びる時いろいろな手段がとられるが、「実にそれによく似ている」と述べ、/どうしてもこれは極左が動かしているように感ずる」との述懐をしていた。このような見方には、十月事件の影響2017/08/22

CTC

12
10年講談社メチエ刊。『昭和陸軍の軌跡』前年の刊行である。 戦前の政党政治体制は「かなり強固」なもので、「相当の安定性をもっていた」事が、近年の研究で明らかになってきた。とすれば、それを崩した陸軍他には相応する「構想とその実現への周到な準備」があったはずだ、とその内容をみていくもの。昭2年発足の“木曜会”が、大10年の“バーデン・バーデンの密約”に端を発する“二葉会”と昭4年に合流し、“一夕会”になり…という流れはお馴染みなのだが、メンバーと発言、若槻内閣内の潮目の変化を詳細に判りやすく考察している。2017/11/14

nonnomarukari(ノンノ〇(仮))

6
一夕会のリーダー永田鉄山と立憲民政党の若槻礼次郎との政争を描いた一冊。満州事変を主導的に推し進めたのは一般的にいわれるように石原莞爾だと思っていたが、永田鉄山がこれを推し進めていたという視点はとても興味深かった。この軍部の暴走に対し若槻が臆することなくなんとか南陸相や元老・天皇の力を使ってまで必死になって不拡大の道を歩もうとした努力を知る事が出来た。あと、浜口雄幸と永田鉄山の政治的な考え方の違いを示し、彼らの行き違いがどうして起きたかを分かりやすく説明している。2011/01/30

星辺気楽

4
満州事変前後の軍部と政府の詳細なやり取りから見えてくる、軍部の覇権主義と世界の平和と安定を望む政党政治との熾烈な駆け引きとそれを取り巻く第3者の動向が数年後の未曾有の悲劇の始まりであった。 2016/12/01

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