内容説明
「最終預言者」ムハンマド亡き後、「信仰」の正しさは誰が決めるのか。あくまで信仰の純正性を追究する「極端派」、生活との「妥協」を計るその他の多数派。イスラーム教は両者の対立・抗争のダイナミズムから誕生した。イスラーム教形成のプロセスを根源から考察し、ムハンマドが創始した新たなる宗教がスンナ派、シーア派に分かれ、われわれの知る「イスラーム教」になるプロセスを読み直す、スリリングな思想史の登場。
目次
第1章 理想の信仰共同体と「分派」の出現
第2章 「異端」と「正統」
第3章 「宗教宗派」シーア派の成立
第4章 イマーム派と極端派
第5章 イスラーム教のメシア思想
第6章 裏切られた革命
第7章 十二イマーム派とイスマーイール派の台頭
第8章 シーア派とスンナ派の対峙
第9章 イスラーム教教義の限界に向かって
著者等紹介
菊地達也[キクチタツヤ]
1969年生まれ。東京大学文学部卒業後、同大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。現在、神田外語大学准教授。専門はイスラーム思想史。著書に『イスマーイール派の神話と哲学』(岩波書店、第一五回中村元賞受賞)がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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