講談社選書メチエ
知の教科書 デリダ

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  • サイズ B6判/ページ数 238p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784062582599
  • NDC分類 135.5
  • Cコード C0310

内容説明

「脱構築」「エクリチュール」「差延」「赦し」―新たな概念を創出し、常識に揺さぶりをかける「知の挑発者」=デリダ。西欧哲学二五〇〇年の根本的見直しを要求するラディカルな思想世界を、これまでになく平易に解説。

目次

デリダの生涯と思想(アルジェリアのユダヤ人に生まれて;戦争とサッカー少年 ほか)
デリダ思想のキーワード(エクリチュール;形而上学批判 ほか)
知のみなもとへ―作品解説(『グラマトロジーについて』;『声と現象』 ほか)
三次元で読むデリダ(哲学対文学;主体と共同体 ほか)
知の道具箱(デリダを読むためのブックガイド;知の練習問題)

著者等紹介

林好雄[ハヤシヨシオ]
1952年生まれ。東京大学文学部フランス文学科卒業。同大学大学院修士課程修了。現在、駿河台大学助教授

広瀬浩司[ヒロセコウジ]
1963年、東京生まれ。東京大学教養学部教養学科卒業。同大学大学院総合文化研究科博士課程中途退学。現在、筑波大学現代語・現代文化学系助教授。パリ第一大学新制博士号(哲学)
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感想・レビュー

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燃えつきた棒

32
帯には【〈超難解〉思想が、わかる!】とある。また、裏表紙には【これまでになく平易に解説。】とある。 正直、「サルでもわかる」ような本が欲しいのだが。 読み終わっても、依然として分からない。 更に読むしかない。/ 【デリダは、こうした署名の開かれた構造を、著者と読者のあいだにも認めている。テクスト(略)がひとたび著者の手を離れると、そこに署名するのは、もはや著者ではなくて、読者なのである。(サルトルはすでに、『文学とは何か』の中で、「創造は、読書の中でしか完了しない。→2023/08/14

またの名

11
どう見ても特定のベクトルに向いた解答(デリダ的に正しい答え)を要求する巻末の設問が知の練習問題と名づけられていてアイロニカル。しかし読みやすく取っつきやすい配慮された設計はファーストフードほどすぐには消化できない部分も含んだ程良い案配で、メチエの知の教科書シリーズの安定感が保たれている。税関で逮捕され拘留され裸にされて写真を撮られた事件が起きるまでは顔も非公開だったデリダがその後急速に政治化したわけではなく、以前から政治的な行動とテクストの必然的結びつきを前提してたと強調。各著作のショートコメントが重宝。2017/02/21

おっとー

2
事物の実在を突き詰める形而上学から認識の実在を突き詰める現象学へ。しかし実在の探求を目的としている時点で現象学もまた形而上学的である。デリダの思想はこの問題から出発する。少し前に構造主義が流行するせいか、脱構築は事実否定の側面ばかりが強調されがちだ。だからこそ、自己の認識を絶対視する安易なポストモダン思想が蔓延ってしまう。でも実際のデリダは事物と主体両方の解体可能性を見出だし、署名、パレルゴン、亡霊、代補といった「間」の意味を模索する。主体なきエクリチュールの権力こそが、彼にとっての唯一の希望なのだろう。2017/04/30

スズツキ

2
デリダの脱構築はフッサールの現象学による形而上学批判を批判的に受け継いだハイデガーの存在論による形而上学批判を批判的に受け継いだ。……原文のままです、はい。2014/05/07

無人島

2
高橋哲哉「デリダ」の補遺として申し分ない。入門書だと見逃されがちな現象学との関係を扱っているのが素晴らしい。哲学臭いデリダの風味だけは嗅ぎ取れるだろう。2012/06/23

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