内容説明
徳川時代。儒教道徳の下、女は操正しかったのか?なかなかどうして、さにあらず。密通、出奔、近親相姦…。史料の森に分け入れば、見えてくるのはしたたかな顔。性愛から照射する、われわれの知らない江戸の姿。
目次
第1章 人妻浮游
第2章 性愛の現実
第3章 不義の制裁
第4章 妻敵討
第5章 “寝取られた夫たち”の選択
第6章 強き者、汝の名は
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
またの名
7
早くから経験するのは当たり前なので貞操を失うくらいで騒ぐべきでないとされる世の中では、16歳の少女が通りがかりの男に襲われても「出血」したという報告が逆に当局の疑念を呼ぶ。貧しいわけでもなく婚前交渉や堕胎に事欠かず、天野山城主の不倫妻のその娘に至っては多くを相手に「おびたゞしく人と姦通」して接待娘とか命名される。不貞を働いた妻を相手の男ともども復讐殺害する権利が夫に認められたのも、欲望の実情がノーマルな日常に溢れてたからこそ。貞女の時代の存在を信じようとする者たちがとりあえず辿り着く江戸幻想を粉砕する書。2022/11/24
印度 洋一郎
2
江戸時代、女性は時代劇や時代小説で描かれているように貞淑だったのか?とんでもない!現代の価値観からみると「放埓」「淫乱」に近い性愛の営みをしていた、と様々な記録を紐解きながら解説。それは記録が比較的残る武家の妻女だけではなく、庶民層の女性も又然り。「中間と逃げる藩士の妻」「痴情のもつれで刃傷沙汰」「家中での近親相姦」出るわ出るわ。支配層もその対処に頭を痛め、「厳しく取り締まっても、無くなるわけでも、減るわけでもなし、なるべく穏便に表沙汰にしないように」と腰が引けて来る。だから殊更「貞淑」を求めたのか?2023/04/20
ともたか
0
江戸時代とはなに? 井原西鶴のいた時代。 お江戸よりも上方のほうがずっと すごかったかも。2013/06/07