ブルーバックス<br> 出題者心理から見た入試数学―初めて明かされる作問の背景と意図

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ブルーバックス
出題者心理から見た入試数学―初めて明かされる作問の背景と意図

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  • サイズ 新書判/ページ数 182p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784062576178
  • NDC分類 410
  • Cコード C0241

内容説明

大学入試の問題作りの現場には、外からは想像もつかない葛藤や苦悩がある。30年近く、入試数学の出題と採点に携わってきた著者が、これまで一切語られることのなかった作問の背景や意図、採点、その他諸々の事情について、余すところなく率直に論じる。

目次

第1章 学習指導要領と出題者心理(「出題範囲外」とは何か;絶滅の危機にある「融合問題」;受験生が意外に弱いのは小学生でも考えられる整数の問題;履修範囲外のハミルトン・ケイリーやロピタルの定理で解いてもよいか)
第2章 マークシート問題の出題者心理(マークシート形式化が無理な問題(数値編)
マークシート形式化が無理な問題(選択肢編)
「1」の多出とベンフォードの法則)
第3章 計算と小問配列で見る出題者心理(「きたない数字の正解」は「不安心理に負けない精神力」を見る;「センス」を見る計算問題と「努力」を見る計算問題;「直列問題」と「並列問題」のプラス・マイナス)
第4章 グラフ・図形問題の出題者心理(受験生を悩ますグラフを描く問題;幾何的センスを見る空間図形問題)
第5章 証明・論理問題の出題者心理(数学的帰納法の「困った答案」回避法;想定外の答案が目立つ論理の問題;インドの大学入試問題で考える証明問題の意外な長所と短所;東大の円周率問題が開いた突破口)

著者等紹介

芳沢光雄[ヨシザワミツオ]
1953年東京生まれ。学習院大学理学部数学科卒業。東京理科大学理学部教授(大学院理学研究科教授)を経て、桜美林大学リベラルアーツ学群教授。専門は数学・数学教育。理学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

はんげつ

2
いかに攻略するかという対象でしかなかった入試問題が、どのような意図のもとに作られたのか、学問上や教育上においてどのような意義を持つのか、といったことを考えてみることの意味の深さと面白さを知れた読書だった。また、この本を読んでいればゲーム的な高校数学とは違う真に学問的な大学数学をもっと楽しめたのかもしれないという後悔に満ちたものでもあった。特に、同様の問題において出題形式によって解き方や質が変容することに関する著者の疑義を興味深く読んだ。2018/01/14

ottohseijin

2
受験の時に読んでおきたかった。2012/10/21

魑魅魍魎

1
タイトル通り,大学入試を作る側の著者が,兎角マイナスに捕らえられがちな入試を,「数学的面白さを発見する場」や,「入学して欲しい人たちを集める場」として,前向きに捉えつつ,現状の問題点や展望を,いくつかの例題を用いて解説している.主張に対して,納得させ得る問題を持ってきているので,非常に腑に落ち易い.教育関係者,必読.2011/06/27

Retty

0
数学自体の面白さと入試数学の作問との間での葛藤が感じられる。そういえば、志望校の過去問でeのテイラー展開に関する帰納法を用いた問題があったことを思い出した。2017/05/27

wang

0
入学試験には単に学力を確認するだけではなく、様々な思いや苦労が込められていることが実例でわかる。猫の目のように変わる高校数学の範囲を浪人生も含めて対応させる難しさ。曖昧な回答がでないようにする苦労。そのなかで落とすための入試問題ではなく、数学的センスを発見できる問題を作ろうとする努力など。 2012/03/22

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