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内容説明
遺伝情報の担い手として知られるDNAは、進化の情報がつまった「分子化石」でもある。そこに残された突然変異の痕跡から、三五億年にわたる生物進化の歴史を読みとり、進化のしくみと道筋を明らかにしようとするのが分子進化学だ。進化をさぐるこの新しい方法によって、DNAではダーウィンの自然淘汰説とは違うしくみで進化がおきていることがわかってきたし、ヒトはいつごろサルから進化したか、などの問題にも的確に答がだせるようになった。誕生後まもないにもかかわらず、華々しい業績を打ち立てながら、邁進する分子進化学の、魅力と実力を存分に紹介しよう。
目次
第1部 分子進化のしくみ―分子進化学の基礎(進化学の発展小史;遺伝のしくみ;DNAで進化をみる;分子時計 ほか)
第2部 分子でたどる生物進化の道筋―分子系統進化学入門(化石が語る生物の歴史;分子系統進化学の夜明け;第三の性物=古細菌 ほか)
第3部 形態進化と分子進化の接点―生物の進化にともなってDNAに何がおきたか?(生物の進化にともなってDNAに何がおきたか?)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
naoto
1
3ヶ月前に読んだ本の再読。なのにこんなに覚えてないのは悲しい(笑)DNAの無駄な部分、イントロンって、コピーミスが影響を与える確率を減らしてるのかな、なんて思ったりして。2012/11/10
thinkeroid
1
今からすると、既に当たり前となったり、根本からアップデートされたようなこともある。でも、学問は、その成立史に沿っていちばんよく(≠お手軽に)理解できる (cf. http://twitter.com/finalvent/status/173929689914671104) 。分子進化学が目覚めた瞬間の息吹を伝える優れた本だ。2012/02/29
yk_tani
0
木村資生博士の弟子による分子進化学の入門書。とても平易にかかれていて読み物として楽しめる。内容にやや古いところがあるのが玉に瑕だが、十分読み応えのある内容。分子レベルの進化と表現形レベルの進化の統合に向けてのアプローチとして、組織特異的に発現する遺伝子に着目するアイデアはとても面白かった。2013/12/16
てぃんくるかけそば
0
宮田先生の著作一作目。分子進化の中立説と、宮田先生の研究について分かりやすく学べます。内容が少し古くなっているのが残念ですが、「分子の進化と形態の進化がどう結びつくか」という問題提起は今尚重要な視点を提供しています。2012/10/04
naoto
0
分子の面から進化を考える。94年第1刷で、もう今やDNAで進化を語るのは普通になってるもんな。現生人類もアフリカのミトコンドリア・イブにたどりつくのも常識だし。でも、"進化はオスが担う"は新しかった。2012/08/09