内容説明
石原裕次郎が亡くなって、やがて十七回忌を迎えようとしている。しかし若かったころの裕次郎の姿は昨日のことのように鮮やかに蘇る。本書は裕次郎と苦楽を共にした元映画プロデューサーが、公私にわたる裕次郎の悲喜こもごもの人生を明かす。俳優として、夫として、石原プロモーションの代表として、そして石原慎太郎の弟として、裕次郎はいかに生きたのか。
目次
第1章 大スターの伝説(「俺は俳優になんかなる気はなかったんだぜ」;「箸にも棒にもかからぬワル学生」 ほか)
第2章 裕次郎の「心の傷」(因縁めく巡りあわせ;初日の監督不在事件 ほか)
第3章 「執念」の勝利(頑固な一面;当たって砕けるしかない ほか)
第4章 家族の絆(裕次郎とまき子、奇妙な夫婦;「俺は元来、なまけ者なんだよ」 ほか)
第5章 それぞれの訣別のとき(一心同体の関係;連日続く過酷な撮影 ほか)
感想・レビュー
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神在月
2
市川崑の「太平洋ひとりぼっち」の際の撮影初日に現れなかった本当の理由が風邪などではなくて女優との密会を優先させたためだったって云う話は知ってたが、さすがにこれは裕次郎がかわいそうだと思った。あとは「黒部の太陽」の裏話。五社協定の壁の前に苦悩する裕次郎に三船が「裕ちゃんだけに辛い思いはさせられない。やりましょう!」といった後帰ってゆき深夜になって泥酔して裕次郎邸の前で大声で「裕次郎のばかやろ~」って怒鳴ってたって話はさもありなんと思った。三船は本当は繊細で小心だったらしい。黒澤邸の前でも同様の事してるよね?2010/08/14