内容説明
「エンジンの神様」という称号を、ほしいままにした男、ポップ吉村。彼の人生は、称号の華やかさとは逆に、苦難の連続であった。パラシュート事故、ホンダからの部品供給停止、アメリカで詐欺にあい、商標を含めすべてを失った。そして、工場の火事で全身大やけど、家族の死…。それにもかかわらず、「ヨシムラ」のバイクは、メーカー製ワークスマシンをものともせず、サーキットを暴れ回り、勝ち続けた。
目次
1 空白の飛行記録―一九二二~一九四五年
2 九州に吉村あり―一九四五~一九六四年
3 九州から秋川へ―一九六四~一九七〇年
4 屈辱のアメリカ―一九七〇~一九七六年
5 二人の勝負師―一九七四~一九七八年
著者等紹介
富樫ヨーコ[トガシヨーコ]
1954年、東京都に生まれる。翻訳家、フリーライター。ロードレース、南米走破経験を生かし、1983年ケニー・ロバーツvs.フレディ・スペンサーの死闘の取材より文筆活動に入る。HRC(ホンダ・レーシング)コーディネーターも務めている
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感想・レビュー
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aqua9209
1
1980年マン島TTレースに通訳ガイドとしてロンドンから日本人のグループに同行した際、マン島で(日焼けし?)真っ黒な顔の日本人に、欧米の若者が次から次とプログラムにサインを求めていました。サインをしていた手は顔と同じく真っ黒で傷だらけでした。「神の手」ポップ吉村氏を生で見た最初で最後でした。自叙伝は誰のものでも有名になる直前までが一番興味深くおもしろい!!吉村氏はその後も波瀾万丈!本田宗一郎氏との話も興味深い。捲土重来が吉村氏の人生でしたっ!! 2015/02/01
マサトク
0
底本はもう20年も前の本だけど、歴史的事実は変わるわけではないから、今も面白く読める。ヨシムラの創業、飛躍、アメリカ進出の失敗と再挑戦、スズキとの繋がり。歴史を知ると同じパーツひとつとっても面白く見えてくるな。2015/10/02
washa46
0
航空機関士として死線を越え、戦後、親族一同で鉄工所を始める… 英語が話せるので頻繁に米兵がやって来るようになり、彼等が乗って来るバイクの修理をしているうちにバイクの面白さに目覚めチューナーとしての道を歩みだしたポップ吉村… 上巻はヨシムラの黎明期…アメリカでの会社乗っ取り…工場の火事… スズキの横内悦夫氏との出会い、デイトナ制覇、そしていよいよ鈴鹿8耐が幕を開ける… 集合管の元祖であり、現在活躍している名チューナー達がヨシムラで鍛えられてきた事を知り驚きました… 以下下巻に続く… 2020/07/29