内容説明
古来、人間は残虐だった!アッシリア人は捕虜の首を切り取って芝生の装飾とし、ローマ皇帝ネロはキリスト教徒を串刺しにして火あぶりにした。中世ヨーロッパでは神の名の下に魔女狩りが行なわれ、スペインでは“邪教徒”たちの処刑が虐殺の祭典として大いにもてはやされた―。人間の隠された一面を浮き彫りにする拷問の数々。人間は、なぜここまでできるのだろうか。
目次
1 拷問のはじまり―紀元前18~前10世紀
2 古来、人間は残酷だった―紀元前7~後3世紀
3 いかにして拷問は行なわれてきたか―12~17世紀
4 拷問に異常な熱意を燃やす人々―15~18世紀
5 人間の欲望を満たす拷問―15~17世紀
6 拷問が語るもう一つのイギリス―16~18世紀
7 拷問に異議を唱えた人々―16~19世紀
8 巧妙な東洋の拷問―19世紀
9 拷問に見るアメリカ開拓史―17~19世紀
10 人間はどこまで残虐になれるか―20世紀
11 拷問はなくならないのか
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鱒子
64
拷問や処刑についての考察。極端で劇的な刑罰を与える事が抑止力になると信じた、中世の人々。罪人を罰する手段という名目の、サディスティックな見せ物ショー。——若いころはこういう本も好きだったのですが、歳をとったせいかな、なんかもうお腹いっぱい。現代の日本人で良かったと、心から思います。2020/12/03
こばまり
49
答え:残念ながらどこまでも なのです。人類は紀元前から倦まず弛まず拷問に取り組んできました。本来、人々の心に安寧をもたらすはずの宗教、その異端審問においてさらに勢い付いたのが誠に皮肉です。理不尽で圧倒的な暴力に身をすくませながら読み終わりました。消耗致しました。2015/01/11
Wisteria
5
歴史の中で拷問は研究し尽くされただろうか。もうこの先はないだろうか。気分が悪くなった。人間の残虐さ、果てしなく。2018/05/13
りっか
2
拷問の歴史の本です。日本での拷問についてかかれていないのは作者が外人だからでしょうか。いやー、バカですねえ、人間って。処刑とかを喜んで見る人の気持ちがわからない。ほぼヨーロッパの異端審問所による拷問や、魔女狩りの歴史です。あと、後半にナチやアメリカの奴隷の話とかが載っています。なんだか背筋が寒くなります。ああ、中世ヨーロッパに生まれていなくて良かったって感じです。怖いもの見たさで読むのもアリですけどね。2001/12/06
gkmond
1
のんべんだらりとした構成の可もなく不可もない拷問の歴史つまみ食い本。異端審問官がご飯論法使ってたのには笑った。原書は1960年代の本なのでもっと新しい本があるならそっちを読んだほうが有益だろうなと思った。ところどころ現代社会評論めいた文が入るけどそこが一番古びてる気がした。どうせなら一個一個のエピソードを詳述してほしかった。なんで原書刊行後30年以上経って翻訳されたのかも気になった。2023/01/14