内容説明
「普通の家庭」の頭のよい子が危ない!歪んだ夫婦関係、親と子の関係、きょうだいの関係など問題を抱えた家族に起こる摂食障害。心に傷を負っても我慢し続け、よい子を演じ続けてきた子どもたちは、大人になっても心に傷を持ち続けている。過食と拒食は彼女たちの心の叫びだ。根本を変えなければ、問題を解決しなければ苦しみからは抜け出せない。「壊れつつある家族」を「壊れない家族」にするために、いま何が必要なのかを考える必読の一冊。
目次
第1章 過食と拒食は「一枚のコインの裏表」
第2章 うまく生きられない「よい子」たち
第3章 「私」と「心の中の私」の対話
第4章 「よい子」を演じる娘たち
第5章 「やけ食い」にすり替えられたもの
第6章 「親」が変われば「娘」も変わる
第7章 性的トラウマをひきずって
第8章 「壊れつつある家族」を「壊れない家族」に
第9章 「いいかげん」に生きてみよう
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
青蓮
19
私自身、以前拒食症で苦しんでいました。今は落ち着きましたが、まだ体重に囚われている部分があります。本書は摂食障害の病理の背景をしっかりと説明していて、分かりやすかったです。自分に当てはまることが多かった。最終章の「回復」と「成長」のステップがとても役にたちそう。実践してみたいです。2013/11/10
あるいてく
2
この本は凄く惹きつけられた、読んでて自分じゃないかよと腹の底に隠して来た事、案外あっけらかんと読んでて白日に晒されちゃったなと感じた。でもこういう事思ってたってなかなか自分が思ってるってなんか心のどこかで気付いていても禁忌の様に見ないでいた事、嫉妬とかひがみったい自分少し受け入れる事が出来た。コントロール出来ないんだって認めないと。意思の力で出来ると思ってたのは思い上がりだったなと痛感させられた。2012/07/31
sayanu
1
発行が古いのでそのまま現在も適用できる論ではないが、日本における摂食障害の初期本として貴重。基本的に親子関係の課題と捉え、ピアサポートを子供にも親にも勧める内容。2018/10/02
那生
1
摂食障害へ至るメカニズム、最中の心理や行動パターン、家族と摂食障害患者の関わり方などを少女たちの症例を引きながら語り尽くした一冊。論理だけでなく摂食障害者の苦しい心にきちんとスポットを当ててあり、等身大というかリアルで身にしみる内容でした。専門用語も出てきますが、説明も付いているし読めないレベルではない。最後の章には摂食障害の自助グループが掲げる10のステップを解説付きで記載してあり、行動の指針とすることも出来そうです。これはきっと役に立つ本。2012/06/14
kiki
0
何らかのSOSとして出てくる症状をきっかけに明るみに出てくる、患者自身や、その家族にある病。自分自身を認知するところから、回復していくところまでのプロセスと、治療のもととなる考え方をその都度示しているので、わかりやすいかと思います。個人的には、認知の歪みの10パターンの表がついていたのがよかったです。歪みは誰にでも起こることと考えると、気持ちが軽くなった気がしました。2015/01/15