- ホーム
- > 和書
- > 児童
- > 読み物
- > 民話・神話・古典読み物
出版社内容情報
平安庶民の泣き笑いをいきいき描いた説話集表面的にははなやかな平安時代も一皮むくと、追いはぎが横行し疫神の跳梁する世の中だった。その中でたくましく生きぬく庶民の像が、あざやかに描かれる。 小学上級から
内容説明
「今は昔」で語り出される『今昔物語集』には、受領・武士・僧侶・農民といった、それまでの文学では無視されがちだった人々が主人公として登場し、おかしく、ときにはかなしい人間ドラマを展開する。全三十一巻千話以上からなる一大説話文学から、おもしろくかつ親しみやすい五十一編を厳選して収録する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
マカロニ マカロン
3
個人の感想です:B。成立が平安末期1140年ごろの説話集です。古文は読みにくいが、小中学生向けに杉本苑子さんが易しく現代語化しています。さらに、「教訓」とか「訳者からのひとこと」で話のポイントをまとめ、また現代人から見た解釈などを加えて理解しやすくなっています。カラーの挿絵や用語解説なども充実しています。「名僧、人の家に立寄りて殺されたること」はまるで新聞の3面記事みたい。「四国の辺地を通る僧、知らざる所に行きて馬に打ち成さるること」は泉鏡花「高野聖」の原案?「天竺の天狗」はスケールが大きい話。2014/08/11
舟江
2
子供用なら有名な話が多いと思って選んだが、いくつもなかった。平安時代とは名ばかりの庶民の過酷な生活を書いたものが多かった。挙句の果てに読者の唯一の楽しみである解釈まで、訳者が書いていた。2020/04/29
北条ひかり
2
4時間46分(日本ライトハウス情報文化センターと音訳者さんに感謝) 今昔物語集は、全体で1,000話を超える巨大な説話集で、インド・中国・日本のいろいろなお話を網羅する。残念ながら、この本には日本に関するお話の一部だけしか収録されていない。しかし、それでも芥川龍之介や泉鏡花がこの本にあるお話をベースに自らの作品を書いているだけあって、十分に面白い。この面白さは「次はどんな話だろう?」とワクワクするアラビアン・ナイト(千夜一夜物語)と一緒で、しばらくは中毒になってしまうかもしれない。2015/05/28