通りすがりのあなた

はあちゅう【著】

講談社（2017/09発売）

• サイズ B6判／ページ数 242p／高さ 19cm
• 商品コード 9784062207201
• NDC分類 913.6
• Cコード C0093

出版社内容情報

言葉や距離を超えて築かれる、友達とも恋人とも名づけられない“あなた”との関係。切ない人間模様を描く、はあちゅう初の小説集！大学三年の一年間、モラトリアムに逃げこむように香港大学に留学したサホは、マイケルというＡＢＣ（アメリカン・ボーン・チャイニーズ）と出会う。冴えない自分と、人気者の彼。付き合っているようで、本当のところはわからない。やがてマイケルは、奇妙な「秘密」を漏らすようになって――（「世界が終わる前に」）

17歳の夏休み、パナマに短期留学をすることになったハルナ。ホームステイ先では日本との習慣の違いに右往左往し、学校ではスペイン語が全く分からず困り果てる毎日。そのうえ、クラスで冴えないジェニファーがあれこれ世話を焼いてくるようになって、正直ちょっと迷惑なのだが……（「友達なんかじゃない」）

念願の世界一周旅行を始めた矢先、ボリビアで高山病になったリサを助けてくれたのは、同じく旅行中のコウさんだった。同じルートの少し先を旅するコウさんとは、会えそうでなかなか会えない。コウさんを追いかけて旅するうちに、リサの中で彼に伝えたい言葉が溢れてきて――（「世界一周鬼ごっこ」）

言葉や距離を超えて築かれる、友達とも恋人とも名づけられない“あなた”との関係。7通りの切ない人間模様を描く、はあちゅう初の小説集！

「世界が終わる前に」
「妖精がいた夜」
「あなたの国のわたし」
「六本木のネバーランド」
「友達なんかじゃない」
「サンディエゴの38度線」
「世界一周鬼ごっこ」


はあちゅう［ハアチュウ］
著・文・その他

内容説明

言葉や距離を超えて築かれる、友達とも恋人とも名づけられない“あなた”との関係。切ない７つの人間模様を描く、はあちゅう初めての小説集。

著者等紹介

はあちゅう［ハアチュウ］
１９８６年生まれ。幼少期を香港、シンガポールで過ごす。慶應義塾大学法学部在学中に友人と企画した期間限定ブログが書籍化されたことをきっかけに、媒体を横断した発信を開始。卒業後、電通、トレンダーズを経てフリーに（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[アコ]

7篇収録。すべて「名前の付けられない関係」×海外生活。著者のtwitterを見ているからか、これは実体験？と思ってしまうシーンがちらほら。それがよかったかはさておき、人間（特に現代の日本人？）の内面に潜む嫌な部分を見せながら、読者に誰しもがひとりはいそうな過去のささやかな出会いを回想させるかのような物語たち。いずれも小賢しい若い女性が主人公なので、ワンパターン化といえばそうだけど、これも著者っぽさなのかもしれない。割と好き。

2018/02/13

[若布酒まちゃひこ/びんた]

【書評】はあちゅう「通りすがりのあなた」／世界とわたしの鬼ごっこ http://www.waka-macha.com/entry/2017/10/19/210000

2017/10/19

[K]

はあちゅうさんの体験を元にした小説なのかな？世界が舞台で私の知らないことや様々な国の色んな人の考え方が出てきて面白いし勉強になる。 「友達」とか「恋人」ってガチガチに人間関係を括ることに違和感あったから曖昧な人間関係があってもいいと思うという提案にめちゃくちゃ同意！ 曖昧な人間関係でも繋がりがないよりいいし、人生を彩ると思う。

2019/09/25

[tomoko]

友だち以上、恋人未満など、言葉で表現できない関係を綴ったはあちゅう初の短篇小説集。初対面の異性に対して、第一印象で自分のタイプではない、性的なものは感じない等、無意識に「選ぶ側」立とうとする態度に、きっと今まで可愛いいとチヤホヤされ、モテてきたんだろうなぁという著者の勝ち組オーラを感じる。が、次第に相手の内面に惹かれていく様子をてらいもなく表明する辺りが彼女の「隙」であり、これを無自覚にやればやるほど、チャーミングに思えるから不思議だ。どの主人公も身勝手で人間臭く、愛おしかった。

2018/01/03

[hautan]

初読みの作家さん。読みやすかったです。日記の様な感じ？

2018/10/17