出版社内容情報
陣内さん、出番ですよ。『チルドレン』から、12年。家裁調査官・陣内と武藤が出会う、新たな「少年」たちの物語。書き下ろし長編「武藤、別におまえが頑張ったところで、事件が起きる時は起きるし、起きないなら起きない。そうだろ? いつもの仕事と一緒だ。俺たちの頑張りとは無関係に、少年は更生するし、駄目な時は駄目だ」/「でも」/うるせえなあ、と言いたげに陣内さんが顔をしかめた。/「だいたい陣内さん、頑張ってる時ってあるんですか?」/と僕は言ったが電車の走行音が激しくなったせいか、聞こえていないようだった。(本文より)
伊坂 幸太郎[イサカ コウタロウ]
著・文・その他
内容説明
『チルドレン』から、12年。家裁調査官・陣内と武藤が出会う、新たな「少年」たちと、罪と罰の物語。
著者等紹介
伊坂幸太郎[イサカコウタロウ]
1971年千葉県生まれ。東北大学法学部卒業。2000年、『オーデュボンの祈り』で第5回新潮ミステリー倶楽部賞を受賞してデビュー。’04年、『アヒルと鴨のコインロッカー』で第25回吉川英治文学新人賞、「死神の精度」で第57回日本推理作家協会賞短編部門を受賞。’08年、『ゴールデンスランバー』で第5回本屋大賞と第21回山本周五郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
1189
伊坂幸太郎は新作中心に読んでいる作家です。先日のチルドレンに続いて続編のサブマリンを読みました。前作は連作短編集でしたが、今回は長編で読み応えがありました。軽いノリですが、少年法、更正、復讐等、真面目に考えさせる内容です。陣内も昇進しているだけあって、十分進化していますネ(笑)個人的にはハムラビ法典を支持しています。目には目を、歯には歯を!!!2016/04/28
ヴェネツィア
1149
『チルドレン』チームの再集合。あの時は短篇の集積だったが、今回は長編で。本質的には深刻な題材を扱ってはいるのだが、そこはそれ、陣内と武藤の掛け合い漫才のようなやりとりでテンポよく展開していくために、けっして重くはならない。武藤を物語の語り手(視点人物)に据えながら、実は相変わらずのトリックスターぶりを発揮する陣内を中心に事柄は動いてゆく。それでも今回は陣内はなかなかにまともというか、いいところを見せている。永瀬の健在ぶりも嬉しい。なお、爽やかなエンディングは次回への含みを残すか。2020/01/11
つるちゃん0719
799
先日チルドレンを読了、続編のサブマリンを購入、相変わらずの陣内と登場人物もいつも通り脇を固めていた。今回は少しテーマが重く、単純に陣内うざい!うるさい!というわけにはと思わせる。陣内という人間臭さ思いやりが思った以上であった。 次作は、永瀬と優子の登場場面も更にに増やして面白くしてほしいなと思います。!(^^)!2017/02/25
マ・クベ
750
安定の陣内さんでした。確かに凄い人です!言葉が格好良いし、行動も格好良い!真似出来たら、嬉しいです!復讐が正義になりかけて、ならないところが、良かったです。2016/04/25
yu
714
チルドレンから12年かぁ。陣内は相変わらずで、武藤さんの苦難も相変わらず。この二人の会話が最高に面白いけど、テーマは重たい。 若林青年の苦悩、棚ボタくんの気持ち。当事者でしかわからないかもしれないけれど、それをまっすぐ(ではないかもしれない)受け止める陣内は、やっぱりすごい。ラストは涙。 たまにはいいこと言うしね。「おまえみたいなのもいるからな。」陣内、かっこいい。こんな大人に(絶対に)なりたくないけど、最高に憧れる。 若林青年にかかってきた電話が、少しでも彼の未来に希望を与えるものであることを祈る。2016/05/01