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出版社内容情報
ころがる子犬、踊る亀、物言うカタツムリ…。江戸人を「きゅん」とさせた「かわいい」動物たちの楽しい「江戸絵画」動物図鑑!ころがる子犬、踊る亀、物言うカタツムリ…。江戸人を「きゅん」とさせた「かわいい」動物たちの楽しい「江戸絵画」動物図鑑!
金子 信久[カネコ ノブヒサ]
著・文・その他
内容説明
応挙の子犬、蘆雪の雀、国芳の猫、若冲の象…それは「かわいい美術」の宝庫。
目次
あざらし
あなぐま
あひる
いたち
いぬ
いのしし
うさぎ
うし
おうむ
おしどり〔ほか〕
著者等紹介
金子信久[カネコノブヒサ]
1962年、東京都生まれ。85年、慶應義塾大学文学部哲学科美学美術史学専攻卒業。福島県立博物館学芸員などを経て府中市美術館学芸員。専門は江戸時代絵画史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
新地学@児童書病発動中
156
いやあ、これは驚いた。江戸時代に、これほどかわいい動物の絵が描かれていたとは。どの動物も愛らしく、生き生きと描かれており、画家たちの対象を捉える目の確かさに舌を巻いた。あざらしの無邪気な顔、猫の柔らかそうな毛、猿のすばしっこい動きなど、よくもまあこれだけ鮮やかに描けたものだと驚きの連続だった。国芳の「ねぐらの仮宿」のようにユーモアと奇想を感じる絵もある。これらの絵の背景には物言わぬ動物たちを慈しむ仏教精神に基づいた優しさがありそうだ。素晴らしいことだと思う。2015/11/30
buchipanda3
109
表紙の虎の立ち姿がいい。円山応挙「遊虎図襖」の一部。勇ましい眼の表情とは裏腹に前足の感じがどことなく可愛らしい。他の何枚かの絵も表情やポーズに愛嬌がある。応挙は実物の虎は見たことがないらしい。それでも存在感のある姿が描かれていた。そしてモフモフ感が絶妙。応挙の絵は子犬も兎も猪も熊もモフモフ。他では狩野山雪「猿猴図」の猿が良い。シンプルなのにこんな愛らしい表情が出せるなんて。若冲の「百犬図」も面白い。江戸時代のかわいい動物絵は、絵画だけじゃなくて今の漫画やゆるキャラなどにも受け継がれているように感じられた。2021/04/03
mocha
101
うさぎや雀、金魚など身近な生きものは、もふもふ加減がリアルでかわいかったり、洗練された文様になっていたりする。一方、トラやゾウなど想像して描くものは、違和感があってむずむずとおかしい。狩野山雪という人の、上手いんだかなんだかわからない動物たちがいいなあ。江戸時代の絵本『鳥獣略画式』から紹介された動物たちは、どれも洒落ていて、現代のイラストレーションに通じるものがある。ぜひ鑑賞してみたい。2016/02/17
ままこ
89
表紙のむくっとしたかわいい虎が目を引く。五十音順に江戸時代の画家が描く動物達。円山応挙の絵は癒される可愛らしさだな。鍬形惠斎の『鳥獣略画式』味のある略画が現代にも通じる。やっぱり歌川国芳の猫絵はいいな。原成正の「睡眠猫図」はリアルでかわいさ満点。思わず撫でてみたい。「鯰絵」地震を起こして叱られているなまずが笑える。金子信久さんの解説も良く個性的でどこかユーモラスな動物画を楽しめた。2022/04/14
あじ
59
江戸時代の浮世絵や水墨画は、写実性が重視された絵が多いとばかり思っていた。動物たちをズームしてみると意外や意外、目が・だったり∩だったりする。この手抜き感、師匠からお怒りを受けるのでは?と心配に思うほど、愛嬌たっぷりくだけた表情を与えられているのでした。全体に丸みを帯びた体躯をしておりお尻や仕草等、現代人と通じる萌えポイントが随所に。一頁をジャックしていた蛙…Tシャツにプリントしたいくらいkawaii。登場するビッグネームに驚くなかれ。2015/04/26