出版社内容情報
「日本よ、国民への増税より先にやることがあるだろう」。英「エコノミスト」編集長が提言する国家・政府再生のための政策とは。はっきり言いますね。あまり売れないかもしれませんけど、今の日本にはこんな本が必要だと思うから出してみます。
消費税10パーセント増税ですって? 8パーセントに引き上げたばかりなのにもう? その前に国や政府や地方自治体には「やるべきこと」があるんじゃないですか?
誰もが知ってるとおり、日本はこれから人口が激減していきます。
2050年には1億人を切り、2100年には5000万人を割るという試算もあります。
日本が目指すべきは、「経済大国」の維持ではなくて、「住みやすい日本」の維持ではないんでしょうか?
そのために必要なのは、生活が苦しい国民からさらにカネをむしり取るのではなく、日本という国の効率化・スリム化にあるのでは・・・・というのがこの本の主張です(日本に関する記述はほとんどありませんが、著者が言おうとしているのはそういうことです)。
「世界の歴史を見ると、人間は、たびたび国の形を作り替えてきた」というお話が本書の前半に書かれています。具体的には、ホッブスの「国民国家」、J・S・ミルの「自由国家」、ウェッブの「福祉国家」です。つまり、時代の要請に応じて国家は自由にその形を変えることができるし、変わるべきなのです。国が大きくなりすぎて、莫大な税金が不透明な支出に使われているのであれば、スリムになるべきではないでしょうか?
本書の中盤から後半にかけては、中国・シンガポールや北欧の実例を挙げつつ、
「時代にあわせて」「国家を作り替えた」具体的な様子が描かれます。
詳しくは本書を読んでいただきいのですが、ポイントとなるのは「行政サービスに効率・競争の原理を採り入れる」「テクノロジーの活用」などです。
そして結論。大きくなりすぎた(しかも、なかなか改革が進まない)国家や政府・自治体がまずもって取り組むべき政策は下記の3つであると著者は主張します。
1:国有資産の売却
2:不透明な補助金の撤廃・削減
3:年金をはじめとする給付金の見直し
どうです? 増税よりも先にやるべきことがたくさんあるじゃないかと
皆さんは思われませんか?
序章 国家は何のために存在するのか
第1部 国家「理想像」の変遷史
1 トマス・ホッブスの国民国家
2 J・S・ミルの自由主義国家
3 ビアトリス・ウェッブの福祉国家
4 ミルトン・フリードマンの反革命
第2部 現在の国家・政府・地方が抱える問題点
5 カリフォルニア州、7つの問題と1つの長所
6 アジアに学ぶ「未来の国家」モデル
第3部 変革の嵐
7 北欧――改革が始まる場所
8 国家・政府を再起動せよ
9 国家を再起動させる3つの政策
終章 第4の革命
ジョン・ミクルスウェイト[ジョン ミクルスウェイト]
著・文・その他
エイドリアン・ウールドリッジ[エイドリアン ウールドリッジ]
著・文・その他
浅川 佳秀[アサカワ ヨシヒデ]
翻訳
内容説明
鋭い国は増税せずに改革を実現させている。国有資産の売却、不透明な補助金の廃止、年金・給付金の見直し。まだまだ日本にもできることがある!
目次
国家はなぜ存在するのか
第1部 国家「理想像」の変遷史(トマス・ホッブズの国民国家―王による支配が終わり、国民が議会を通じて国を治める「国民国家」が誕生する;J.S.ミルの自由主義国家―実力次第で成功できる新しい制度や、効率的な小さな政府を望む声が高まる;ビアトリス・ウェッブの福祉国家―資本主義の矛盾が剥き出しになった時代、万人の幸福を国家が担う枠組みが生まれる;ミルトン・フリードマンの「半」革命―行き過ぎた福祉国家の反動で、スリム化の気運が生まれるも、不完全に終わった)
第2部 現在の国家・政府・地方が抱える問題点(カリフォルニア州、7つの問題と1つの長所―肥大化する行政や、利権化する公務員はなぜ世界中で常態化したのか?;アジアに学ぶ「未来の国家」モデル―良くも悪くも、シンガポールと中国が我々に教えてくれること)
第3部 変革の嵐(北欧―改革が始まる場所―スウェーデンやデンマークでは、行政に市場原理を導入して成功を収めつつある;国家・政府を再起動せよ―公務員や行政府が抱きがちな、誤った固定観念を捨て、新しい政策に舵を切れ;国家を作り替える3つの政策―鍵を握るのは国有資産売却・補助金の廃止・給付金制度の見直しだ)
第4の革命―民主主義の修正方法
著者等紹介
ミクルスウェイト,ジョン[ミクルスウェイト,ジョン] [Micklethwait,John]
英「エコノミスト」誌の編集長を務めるイギリス人ジャーナリスト。オックスフォード大学で歴史学などを学んだ後、チェース・マンハッタン銀行に2年間勤めてから「エコノミスト」編集部に所属。主にアメリカ支局でビジネス分野や政治分野の記事を担当し、2006年に編集長に就任。CNNやBBCなどのニュース番組への出演機会も多い
ウールドリッジ,エイドリアン[ウールドリッジ,エイドリアン] [Wooldridge,Adrian]
英「エコノミスト」誌のマネージメント・エディターとして活躍するイギリス人ジャーナリスト。オックスフォード大学で近代史などを学び、哲学の学位も取得している。同誌ではワシントンD.C.支局長や、アメリカ各地の特派員などを歴任。特に経営理論やアジア情勢、財政の分野に強い
浅川佳秀[アサカワヨシヒデ]
翻訳家。慶應義塾大学卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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