悪足掻きの跡始末―厄介弥三郎

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  • サイズ B6判/ページ数 260p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062193399
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

江戸時代、兄もしくは甥の世話になっている者を厄介と呼んだ。旗本都築孝蔵厄介、弥三郎の自由を求めた壮絶なる人生の記。新作長編

厄介は死ぬまで厄介
たった一人の女さえままにならず
屋敷の片隅で老いさらばえなければなりません

江戸時代、兄もしくは甥の世話になっている者を厄介と呼んだ
旗本都築孝蔵厄介、弥三郎の自由を求めた壮絶なる人生の記

「用心棒の仕事がある。手伝え」
「やばい仕事なのですか」
「やばくはない」
「いただきましょう、その仕事」

兄、都築孝蔵は六百五十石取りだが、親重代の借金があってゆとりはない。弟の弥三郎には、婿養子の口がかかったことはなく、永遠に兄や、兄が死ねば甥の世話になって生きるしかない。幕府役人は公用語に無頓着でかつ無神経だった。俗語をそのまま公用語に使用した。役所の書類に肩書が付されるとき、弥三郎ならたとえば「都築孝蔵厄介」とされた。それに、むっとした。弥三郎は、自らの意志で人生を拓きはじめる。

悪足掻きの跡始末 厄介弥三郎
目次
一章 人別作り
二章 兄嫁の脅迫
三章 眉間の皺
四章 桜と桜銀
五章 三九郎の頼み事
六章 深い闇
七章 光明寺賢海法印の正体
八章 冷たい雨
九章 忠次のお練り
十章 志津に似た女

【著者紹介】
昭和十六年、兵庫県生まれ。早稲田大学法学部卒。処女作『大君の通貨』で第四回新田次郎文学賞を受賞。平成六年『恵比寿屋喜兵衛手控え』で第百十回直木賞を受賞する。近著に『知の巨人 荻生徂徠伝』『わけあり師匠事の顛末 物書同心居眠り紋蔵』『関所破り定次郎目籠のお練り 八州廻り桑山十兵衛』。

内容説明

兄、都築孝蔵は六百五十石取りだが、親重代の借金があってゆとりはない。弟の弥三郎には、婿養子の口がかかったことはなく、永遠に兄や、兄が死ねば甥の世話になって生きるしかない。幕府役人は公用語に無頓着でかつ無神経だった。俗語をそのまま公用語に使用した。役所の書類に肩書が付されるとき、弥三郎ならたとえば「都築孝蔵厄介」とされた。それに、むっとした。弥三郎は、自らの意志で人生を拓きはじめる。自由を求めた壮絶なる人生、新作長編。

著者等紹介

佐藤雅美[サトウマサヨシ]
昭和16年、兵庫県生まれ。早稲田大学法学部卒。処女作『大君の通貨』で第四回新田次郎文学賞を受賞。平成6年『恵比寿屋喜兵衛手控え』で第百十回直木賞を受賞する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

松風

25
頭も良く、腕もたち、度胸もあるけど、詰んでる厄介おじのジタバタ劇。詰んでるとわかっているのに、佐藤雅美ならではの事件の面白さにグイグイ引き込まれる。2015/05/15

baba

23
佐藤さんらしい軽妙な会話でサクサクと進む。お得意の公事でふむふむと気付いた、。何もそこまで落ちる事はないのに、どこからそこまで落ちてしまったのか、最後の章が悲しい。2015/03/04

いつでも母さん

22
あら~シリーズになる?と思って読むもそうきましたか・・なんだかやるせない。一気に読了も「なるようになったのだ」って・・図書館で新刊ゲット出来、ラッキーと思ったのに弥三郎を思うと切ないよ。2015/02/28

あかんべ

14
厄介おじといわれる者が、自分らしさを求めて生家をでる。生きるための金を得ることをあせったためどんどん堕ちていく弥三郎。跡取りに生まれなかったせいで、厄介の烙印をおされ、生きるための行為が、悪足掻きと称されるのは哀しい。2015/03/30

うさこ@タッタカタ

12
図書館本。どうした!どこかで読んだお話ばかりですぞ。全く同情もできない後味の悪さ。初出は15年前か、いろんな話の下地になるのがこれなのか。本当に気の毒な家督制度があったんだよというお話でした。2015/08/01

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