出版社内容情報
強靱に育ったネット内虚構(アバター)に、ぼくらはどう相対するのか。高校生のころに父は死んだ。母とぼくを捨てて出奔し、
祖父の田畑を勝手に売り払った親父を、
憎まずにはいられなかった。
――あれから十数年、ぼくは安曇平市役所に就職し、
電算課電子文書係として働いている。
故人となった市民の、ネット内の化身人格(アバター)を消去することが主な業務だ。
ある日、ぼくの目の前に現れたのは、ネット内で育った親父の人工化身(アバター)だった。
あなたの息子じゃない
神の御子なんていない
だれの、息子でもない
神林 長平[カンバヤシ チョウヘイ]
著・文・その他
内容説明
高校生のころに、父が死んだ。祖父の田畑を勝手に売り払い、母とぼくを捨てて出奔した親父を、憎まずにはいられなかった。―あれから十数年。日本には、各家庭に一台、携帯型対空ミサイル(略称:オーデン改)が配備されている。安曇平市役所の電算課電子文書係で働くぼくの仕事は、故人となった市民の、ネット内の人工人格=アバターを消去することだ。しかしある日、ぼくの目の前に、死んだはずの親父の人工人格が現れた―。
著者等紹介
神林長平[カンバヤシチョウヘイ]
1953年、新潟県生まれ。79年、短編「狐と乱れ」で作家デビュー。『敵は海賊』“戦闘妖精・雪風”シリーズなどで数多くの星雲賞を受賞し、95年、『言壷』で第16回日本SF大賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
藤月はな(灯れ松明の火)
91
人生は何が起こるか、分からない。もし、この世界に生身の「私」がいなくなったとしたら、現実では葬式やいなくなった持ち主の持ち物整理などの一種の「儀式」によって存在が最早、ないことを再確認するだろう。しかし、このサイトにある「藤月はな」という「私」が消すのを忘れたとしたら?現実では不在なのにネットでは存在し続ける「幽霊」になってしまう。なぜなら、「藤月はな」とは、生身に肉薄した言葉で構成された「私」であるからだ。だけど新たに記入されない言葉はいずれは忘れられてしまう。その忘却を防ぐのが身体的な個の記憶であろう2015/02/07
nabe
59
ううん…良く分からないなぁ。親子の確執や社会問題を扱ってるようで説明がくどくて上滑りしているし、まぁ、正直面白くはない。ネットアバターなるインターフェースは確かに近い将来で実用化されてもおかしくないだろうと思う。ネット上での自分、ハンドルネーム、画像や人を模したキャラクターとしてのアバターなんかはネット創世記こそ怪しげな印象だったが、今となってはレンタルビデオ屋の会員カードよりも浸透してきているわけだしな。ん、そうか、思い出した、ゴーストか?己のゴーストが囁くのか、ミサイルを撃てと。どちらにせよ意味不(r2015/07/04
coco
31
話の展開が早く、頭をこんがらがせながら読んだ。頭の中を整理しながら、所々立ち止まりながらの読書だったのに、終始こんがらがっていた気がする。読み終えてぐったりでした。ネット、アバター、人の意識、面白い組み合わせでしたが、私の頭では追いつけませんでした。。2015/02/16
かとめくん
28
各家庭に対空ミサイルが配備されているっていう設定がまずぶっ飛んでる。主人公はネット上に存在する亡き父の疑似人格に翻弄され、自分本人の認識問題、オリジナルとアバターの同期と乖離、ネットの宗教的活動、個の存続と種の繁栄、ネットへの人間以外の生物の有機的侵入など、展開以上に哲学的な物語が語られる。そのうえ亡き父のアバターとのやり取りは絶妙に面白い。動的な変化があまりないのが少しさびしかったかな。2015/05/18
ふかborn
26
エンタメだと思っていたらSFだった。中編三本の連作。ネット内アバターのリアル世界での不正行動と、この近未来世界での日本国独特の個人による迎撃ミサイル保持、という二つの柱を中心に、人間の意識と存在について永遠と、それはもう これでもかってくらいに哲学的思考が披露されて、あれっ今はどこの場所で登場人物達は会話してるのだ?と我に返ると、欲情…市民浴場で素っ裸のフルチン状態が約40頁という事態。主人公の幼い時の父親の思い出がろくでなしだったのに、アバターが一昔前のインテリっぽくて魅力的なのが可笑しい。続く2015/05/01




