なぜなら雨が降ったから

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なぜなら雨が降ったから

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  • サイズ B6判/ページ数 293p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784062191265
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

本年度本格ミステリ大賞受賞者最新作! なぜなら、雨が降ったから――から始まる雨女探偵の推理に驚愕必至の連作ミステリ。

野崎は高校を卒業し、アパートの三○二号室で一人暮らしを始めた。ある雨の日、「Yuregi Detective Office」と看板がかけられた二〇二号室の前で女の人が一人で煙草を吸っていた。
〈探偵さんか? それとも、依頼人さん?〉
 野崎はつい一言、
「あの、もしかしてここの事務所の方ですか」
 と尋ねた。
「そうよ」
「探偵さん……ということですか?」
「そうなるわね」
「すごいですねえ」
 何がすごいのかは分からないが、珍しい職業というものは、その存在だけで何やらすごいように思えるものだ。
「あの。探偵さんってことは、推理とか、するんですか?」
 野崎は、冗談めいた質問を投げた。探偵ってどんなお仕事なんですか、という質問でもよかった。少々掘りさげたかったのである。
 問いを受けた彼女は、煙をくゆらせつつ、答えた。
「まあね」
 そして、なんでもない調子でつけ加えた。
「あなた、もしかして最近、新しく靴を買ったんじゃない?」

なんとゆかしき“ホームズ流!”
かくして大学生の野崎と、雨女探偵・揺木茶々子(ゆれぎちゃちゃこ)の探偵活動がはじまる。
読むと中毒になるモリカワミステリ、どうぞご堪能あれ。

第一話「雨女探偵」――「エソラ vol.15」
第二話「てるてる坊主」――「小説現代2013年12月号」掲載の「雨女探偵の夏」を改題
第三話「雨天決行」――書き下ろし
第四話「雪女探偵」――書き下ろし
第五話「狐の嫁入り」――書き下ろし

【著者紹介】
1984年、香川県生まれ。京都大学理学部卒業。京都大学推理小説研究会出身。2010年、『キャットフード 名探偵三途川理と注文の多い館の殺人』(講談社)でデビュー。2014年『スノーホワイト 名探偵三途川理と少女の鏡は千の目を持つ』(講談社)で本格ミステリ大賞を受賞。デビュー2作目での本格ミステリ大賞受賞は史上初となる。
その他の著作に『一つ屋根の下の探偵たち』『踊る人形 名探偵三途川理とゴーレムのEは真実のE』『半導体探偵マキナの未定義な冒険』がある。

内容説明

ある雨の日「Yuregi Detective Office」の表札がある部屋の前で、女の人が一人で煙草を吸っていた。「あの、もしかしてここの事務所の方ですか」「そうよ」「探偵さん…ということですか?」「そうなるわね」「すごいですねえ。あの。探偵さんってことは、推理とか、するんですか?」「まあね。あなた、もしかして最近、新しく靴を買ったんじゃない?」史上最短、デビュー2作目で今年度本格ミステリ大賞受賞。天才モリカワによる前代未聞の名探偵、登場!春夏秋冬、そしてまた春―雨女探偵が出会う5つの事件!

著者等紹介

森川智喜[モリカワトモキ]
1984年、香川県生まれ。京都大学大学院理学研究科修士課程修了。京都大学推理小説研究会出身。2010年、『キャットフード―名探偵三途川理と注文の多い館の殺人』でデビュー。2014年、『スノーホワイト―名探偵三途川理と少女の鏡は千の目を持つ』で第14回本格ミステリ大賞を受賞。デビュー2作目での本格ミステリ大賞受賞は史上初となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

takaC

83
パンチ力に欠けるかな。続けるのか終わらせるのかもはっきりしなくて消化不良。2017/04/09

雪紫

53
完全犯罪に邪魔になるもののひとつ、天候変化による不手際。だが、それが雨女にして名探偵によりもたらされたとすれば・・・?最初が雨女であることが強かったせいか、他の話に雨が絡んでも「雨女」感薄いなあ・・・。と感じてしまう(あくまで個人の主観です)。掛け合いは良かったけど。好みは「雨が降ったから」と「雪女探偵」。2024/06/20

ほぼ一日一麺

26
事件事象が雨きっかけという着想は良かった。雨女探偵:揺木茶々子のキャラクター造形もマイルド志向としては良いと思うが、あの強刺激の三途川理ショックを経験してしまった体にとっては、うーんやっぱりかなり物足りないと言うほかない。2016/08/18

coco夏ko10角

25
5つのお話収録の連作短編集。雨女な揺木探偵自身のことが気になる…特別奇抜ってわけじゃなくてちょっとミステリアスな感じ。もし続編があったら揺木探偵のことをもっと知りたい。お話は『てるてる坊主』と『雪女探偵』が良かった。確かに雪女って色んな解釈ができるなぁ。2014/11/14

だんじろー

24
“雨女探偵”の設定はなかなか面白いと思うんだけど、いかんせんキャラクターが地味だなあ。雨縛りの割に、いろんなバリエーションを取り入れるところはさすが手練れの森川氏。それだけに、探偵の存在感のなさが何とも残念でならない。決めポーズに命を懸けた、少し勘違い気味のカッコつけ探偵とか、やる気を出すと絶対に雨が降る自虐探偵とか、いくらでも楽しそうなキャラ案が出てきそうだけど。ワトソン役の主人公が意外と優等生に描かれているのも正直物足りない。2016/08/31

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