出版社内容情報
本年度本格ミステリ大賞受賞者最新作! なぜなら、雨が降ったから――から始まる雨女探偵の推理に驚愕必至の連作ミステリ。
野崎は高校を卒業し、アパートの三○二号室で一人暮らしを始めた。ある雨の日、「Yuregi Detective Office」と看板がかけられた二〇二号室の前で女の人が一人で煙草を吸っていた。
〈探偵さんか? それとも、依頼人さん?〉
野崎はつい一言、
「あの、もしかしてここの事務所の方ですか」
と尋ねた。
「そうよ」
「探偵さん……ということですか?」
「そうなるわね」
「すごいですねえ」
何がすごいのかは分からないが、珍しい職業というものは、その存在だけで何やらすごいように思えるものだ。
「あの。探偵さんってことは、推理とか、するんですか?」
野崎は、冗談めいた質問を投げた。探偵ってどんなお仕事なんですか、という質問でもよかった。少々掘りさげたかったのである。
問いを受けた彼女は、煙をくゆらせつつ、答えた。
「まあね」
そして、なんでもない調子でつけ加えた。
「あなた、もしかして最近、新しく靴を買ったんじゃない?」
なんとゆかしき“ホームズ流!”
かくして大学生の野崎と、雨女探偵・揺木茶々子(ゆれぎちゃちゃこ)の探偵活動がはじまる。
読むと中毒になるモリカワミステリ、どうぞご堪能あれ。
第一話「雨女探偵」――「エソラ vol.15」
第二話「てるてる坊主」――「小説現代2013年12月号」掲載の「雨女探偵の夏」を改題
第三話「雨天決行」――書き下ろし
第四話「雪女探偵」――書き下ろし
第五話「狐の嫁入り」――書き下ろし
【著者紹介】
1984年、香川県生まれ。京都大学理学部卒業。京都大学推理小説研究会出身。2010年、『キャットフード 名探偵三途川理と注文の多い館の殺人』(講談社)でデビュー。2014年『スノーホワイト 名探偵三途川理と少女の鏡は千の目を持つ』(講談社)で本格ミステリ大賞を受賞。デビュー2作目での本格ミステリ大賞受賞は史上初となる。
その他の著作に『一つ屋根の下の探偵たち』『踊る人形 名探偵三途川理とゴーレムのEは真実のE』『半導体探偵マキナの未定義な冒険』がある。
内容説明
ある雨の日「Yuregi Detective Office」の表札がある部屋の前で、女の人が一人で煙草を吸っていた。「あの、もしかしてここの事務所の方ですか」「そうよ」「探偵さん…ということですか?」「そうなるわね」「すごいですねえ。あの。探偵さんってことは、推理とか、するんですか?」「まあね。あなた、もしかして最近、新しく靴を買ったんじゃない?」史上最短、デビュー2作目で今年度本格ミステリ大賞受賞。天才モリカワによる前代未聞の名探偵、登場!春夏秋冬、そしてまた春―雨女探偵が出会う5つの事件!
著者等紹介
森川智喜[モリカワトモキ]
1984年、香川県生まれ。京都大学大学院理学研究科修士課程修了。京都大学推理小説研究会出身。2010年、『キャットフード―名探偵三途川理と注文の多い館の殺人』でデビュー。2014年、『スノーホワイト―名探偵三途川理と少女の鏡は千の目を持つ』で第14回本格ミステリ大賞を受賞。デビュー2作目での本格ミステリ大賞受賞は史上初となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
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takaC
雪紫
ほぼ一日一麺
coco夏ko10角
だんじろー
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