ミドリのミ

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  • サイズ B6判/ページ数 255p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784062189781
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

母親と離れ、父親と移り住んだ先には、父の新しいパートナー♂がいた。家族って? 男と女って? 新しい家族の形を問う物語登場!

重田ミドリは小学4年生。住み慣れたN市を離れることになってしまった。それは父・広に新しいパートナーが出来たからだ。そのパートナーとはカメラマンの平野源三という男。キャリアウーマンの母から離れて、父と源三の家に転がり混んだミドリ。転校した学校でもなかなかうまくなじめない。

父・広もミドリのこと、そして妻のこと、源三のこと――。様々なことで心を砕いている。離婚話はどうなるのだろう。そしてミドリにとって一番いいことは?

妻・貴美子も、ミドリと広が出て行き、仕事に邁進する日々を送る。離婚話は自分が拒否しているからもちろん進むはずもない。広の新しい恋人が男だという事実も受け入れられない。

”ふつう”だと思っていたことが、崩れていく。
でも毎日生きていかなくてはならない。
何が自分にとって幸せなのか、何が相手にとって幸せなのか。
それぞれが考える幸せの形。そして家族の形。

内容説明

重田ミドリ、小学3年生。住み慣れた街を離れて父・広の新しい恋人―平野源三―の家に転がりこんだ。そんな事実を受け入れられないミドリの母・貴美子。だから離婚話もなかなか進まない。でも進まない理由はそれだけではなく―。よのなかにあふれる“ふつう”からほんの少し外れたところにいるミドリたち。口に出してしまったら、何かが変わってしまう、何かが壊れてしまう、そんなおそれを抱きながら生きる彼らに訪れた、幸せの結末とは。

著者等紹介

吉川トリコ[ヨシカワトリコ]
1977年生まれ。2004年「ねむりひめ」で第三回「女による女のためのR‐18文学賞」大賞・読者賞をダブル受賞。受賞作を含む『しゃぼん』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ちょろんこ*勉強のため休止中

191
父親とその恋人の男性と一緒に暮らすミドリの日々。完璧主義の母親、父の恋人に思いを寄せる幼馴染の女性など、登場人物各々の視点で各章が綴られていく。変わった設定だが、誰もが抱えている”存在することのいたみ”がすくいとられるように丁寧に描かれていた。誰が良いとか悪いとかもない。不器用ながらお互いに思いやり合いながら、身を寄せ合って生きていく様が胸を打った。作者の”世間的には変わっている家庭”、ある意味で弱いものに対する温かい目線が感じられた。期待せずに読んだのだが(失礼!)思わぬ拾い物。愛がある本はいいなあ。2014/09/09

散文の詞

155
登場人物それぞれの視点から描くアンソロジーのような小説です。 どこにでもありそうな話なんですが、特に、ゲイについて書きたかったのかなって印象です。 全体に重い内容なんですが、わざとか、全体がボケている印象で、情景が浮かんできません。 キャラクターを書き込むとか、子供目線ならもっと簡単な文章にするとかしても良かったかも。 いろいろな家族の形があるってことなんでしょう。 2022/05/10

chimako

85
決して子ども向けではないけれど、ミドリの気持ちの揺れは女の子には心当りがきっとある。家を出たミドリとお父さんがなぜ源三と住んでいるのかを分かつてしまったときのミドリの衝撃。人の領分に土足で踏み込まない賢さを持った少女は、わきまえを持っているが故の葛藤に苦しむ。まだ子どもなのに父より母よりずっと大人だ。好きになったのがたまたま男の人だった父 広は妻の元を出て恋人の所に転がり込む。母 貴美子は元々母親には向いていない。子どものミドリは幸せになる権利がある。幸せにならなきゃダメだ。どうする?ミドリちゃん。2021/10/18

BlueBerry

81
最近は以前よりは大分社会的にも認知度とかも高くなって寛容されるようになってきているゲイのカップルに付いてのお話でした。無知や誤解による偏見や差別とかは痛ましいですね。やはり私も苦労した人は人に優しくなれるように思います。強く優しくさりげなく生きている源三さんのキャラは割と好きでした♪序盤○中盤○ラスト◎2014/08/02

ひめありす@灯れ松明の火

76
ドはドーナッツのド、レはレモンのレ、ミはミドリのミ。セルフレームの内側から見る世界はやさしさだけじゃなりたたない。普通って言う理不尽と利益供与がまかり通るそれこそへんな世界。おそろしいことは平気で身近で起きてしまうし、ブリュクラーが弾ければそんなに偉いのか。お母さんはパワーポイントを使いたそうだし。お父さんの恋人は源三(ゲイ)だし。「日曜日はヴィレッジ・ヴァンガードで」がおかしくて好きです。花世ちゃん好きだあ。みんなやっぱりへんなんじゃない。ちょっぴりへんだって良いじゃない。幸せに生きていきたいんだもの。2014/10/18

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