31歳で天才になった男―サヴァンと共感覚の謎に迫る実話

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  • サイズ B6判/ページ数 285p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784062182737
  • NDC分類 936
  • Cコード C0098

出版社内容情報

サヴァンと共感覚の謎に迫る、奇想天外の実話。平凡な家具屋の店員が偶然に特異な「才能」に目覚め、成長する軌跡を描く。サヴァンと共感覚の謎に迫る、奇想天外の実話。家具店で働くジェイソンは、マッチョで遊び好きな31歳。バーで友人と飲んだ帰りに強盗に暴行され、ひどい脳損傷を負う。気づいたとき、彼にはすべてのものが、幾何学的な図形として見えるようになっていた。
混乱し、ネットで情報を調べ、目に映るものを夢中で描き始めるが、誰も理解してくれない。
享楽的だった性格も内省的になり、事件によるPTSDも影響して、4年ものひきこもり生活に入る。孤独の中で彼は幾何学と円周率に魅せられ、「自分が共感覚とサヴァン症候群になったのではないか」と考えるようになる。これが物理学者、脳科学者、共感覚者たちと謎を探る彼の旅の始まりとなった。
現在の彼は、幾何学的な独自のアートを発表するようになり、数理学を学んでいる。
共感覚者には「数字が色に見える」「音に味を感じる」など、さまざまなケースがあるが、「流水の構造が、特有の幾何学的な図形と周波数で振動しているかのように見える」という彼の例は特殊なもの。
サヴァン症候群、共感覚とは生まれながらのものとされているが、彼は後天性である。事故によって共感覚者、サヴァン症候群になった稀有な例として注目を集めている。

はじめに モリーンのメッセージ
Chapter1 ジェイソン2・0
Chapter2 ジェイソン1・0
Chapter3 人生の引き算
Chapter4 脳みその内側
Chapter5 大事なものを失う
Chapter6 新しい才能
Chapter7 円の端
Chapter8 変曲点
Chapter9 大学に行く
Chapter10 世捨て人とエルミタージュ宮
Chapter11 〈プラネットフートン〉から来た男
Chapter12 世界の共感覚者たち
Chapter13 サヴァンでヨーガ行者?
Chapter14 すべてがつながっている
Chapter15 スカンジナビアの春
Chapter16 移動しない旅
Chapter17 ウィスコンシンへの巡礼
Chapter18 後ろは振り返らない
謝辞
訳者あとがき


ジェイソン・パジェット[ジェイソン パジェット]
著・文・その他

モリーン・シーバーグ[モリーン シーバーグ]
著・文・その他

服部 由美[ハットリ ユミ]
翻訳

内容説明

殴られた翌朝、僕の世界は変わっていた。脳損傷が平凡な青年を数学の天才に変えた!偶然か、神さまの贈り物か、脳の新たな目覚めなのか―。人間の可能性に迫るノンフィクション。

目次

ジェイソン2・0
ジェイソン1・0
事件の夜
脳みその中の出来事
大事なものを失う
新しい才能
円の正体
変曲点
三十五歳の大学生
世捨て人とエルミタージュ宮
世界の共感覚者たち
サヴァンでヨーガ行者?
すべてがつながっている
意識に関する会議
脳の中への旅
サヴァンの長老
振り返らない

著者等紹介

パジェット,ジェイソン[パジェット,ジェイソン] [Padgett,Jason]
後天性サヴァン症候群と共感覚を持つ数論学者、数学者。ワシントン州タコマにある3つの家具販売店“プラネット・フートン”のマネージャー。共感覚によって見るグリッドとフラクタルを描いたアートが、2008年、アート・バーゼル マイアミ・ビーチのアートショーで、国際部門最優秀新人賞を受ける。『31歳で天才になった男―サヴァンと共感覚の謎に迫る実話』は初めての著書。ワシントン州タコマ在住

シーバーグ,モリーン[シーバーグ,モリーン] [Seaberg,Maureen]
共感覚をテーマとするライター。サイコロジートゥデイ誌のサイトで専門家として、共感覚について執筆している。多くの新聞や雑誌に寄稿。MSNBC、PBS、オプララジオのリサ・オズ・ショーに出演。ニューヨーク州ニューヨーク在住

服部由美[ハットリユミ]
翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

emi

34
「脳の配線し直し」「使用していない能力の活用」「眠っている可能性の解放」三つの要素は生まれつきサヴァン症候群を持つ人に見られるもの。ところが、著者であるジェイソンは31歳の傷害事件をきっかけに、毎夜パーティ三昧で勉強嫌いだった自分から、数学好きな男へと変貌を遂げる。それは後天的に発症した脳の潜在能力が開花した結果だった。奇跡のような素晴らしい能力を手にした彼は同時に引きこもり、強迫神経症や広場恐怖症と闘いながら、大学に復学し、変わってしまった自分と向き合う。何が起きても人生は何度でもやり直せる。勇気の物語2015/02/22

じゃすぽ

18
おもしろかった!後天性サヴァン症候群そして共感覚者になった男性のノンフィクション。Newtonで紹介されていた記事と彼が描いた精巧な絵が印象的だったのでこちらも読んでみることに。さすが天才の考えることは凡人には難しく、ましてや文章と幾何学の絵だけとなるとちんぷんかんぷん(笑)円周率を絵に描いてしまうんだから!羨ましいけれど女性が発症する確率は低いんだとか。尊敬するラマチャンドラン博士の実験もあり、専門分野以外のお話はとても読みやすかった。「ビューティフル・マインド」の衝撃を越える予感。映画化が待ち遠しい。2015/01/24

くさてる

17
どこにでもいるような遊び好きな若い男性が、強盗に暴行され、脳に損傷を受けた結果、後天的な共感覚者となリ、数学と幾何学に魅せられた独自のアートに取り組むような内省的な人間へと変わっていった過程を描くノンフィクション。あまりにも出来過ぎたというか劇的な展開は、フィクションではないかと疑うほど。後天的に共感覚者となるということへの戸惑いと困難、その独自な感覚についてが丁寧に語られていて読み応えあります。人間の脳に隠された能力はまだまだ深いものがあるのですね…。2015/03/28

まあちゃん

12
暴行による脳損傷の為、後天的にサヴァン症候群になる。目に入るものが幾何学的に見え、光の軌跡が線で見えると言う。局線、局面が微細な凸凹に見えることから、なめらかな線や面は存在しないのだと気付いたとのこと。人にはそういう能力が元々あるが、ストッパーがかかっているそうた。彼の場合ひどく脳が傷ついたことにより、脳の配線し直しが行われ、ストッパーもはずれてしまった。彼の脳を研究することで、脳損傷、自閉症、脳卒中で神経が傷ついた人の治療に役立てられるとのこと。自伝でもあり、人間の不思議を知ることができる1冊。2015/12/01

ひとひら

7
★★★★強盗事件にあい後天的サヴァンと共感覚を得た著者の才能と、その代償。数学に詳しくない私にも彼の精巧な絵から凄さが伝わってくる。いろんなケースがあるけど、そんな風に見え方が変わっていくのかー。事故後の方が美しい彼の世界に憧れる。人間って人体って不思議ねー。2015/02/27

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