昼田とハッコウ

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  • サイズ B6判/ページ数 541p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062180269
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

彼らはここを選んだ──。家業の「アロワナ書店」で、三代目のハッコウと従兄弟の昼田がとりくむ「町の本屋さん」のお仕事。

若者に人気の町・幸福寺にある本屋さん「アロワナ書店」。地域密着型のこの書店で、三代目・ハッコウは名前ばかりの店長となった。その頃、ハッコウのいとこの昼田は、六本木ヒルズのIT企業に勤めていた。店内でぶらぶらするだけのハッコウと、店から距離をおいて会社勤めをする昼田だったが、書店の危機に際し、二人でゆっくり立ち上がる。

【著者紹介】
山崎ナオコーラ(やまざき・なおこーら)
1978年生まれ。幼い頃から書店に通い、平台に自分の書いた小説の本が積まれることが夢となる。大学四年の就職活動の時期に初めて小説を書き、新人賞に応募した。二回の落選を経験し、三年目、会社員をしながら書いた「人のセックスを笑うな」で、2004年にデビュー。著書に、『カツラ美容室別室』『論理と感性は相反しない』『長い終わりが始まる』『この世は二人組ではできあがらない』『ニキの屈辱』などがある。
目標は、「誰にでもわかる言葉で、誰にも書けない文章を書きたい」。
グーテンベルク以来の出版業界の激変の中、書店文化をどう残していくか、日々考えている。

内容説明

若者に人気の町・幸福寺にある本屋さん「アロワナ書店」。地域密着型のこの書店で、三代目・ハッコウは名ばかりの店長となった。その頃、ハッコウのいとこの昼田は、六本木ヒルズのIT企業に勤めていた。店内でぶらぶらするだけのハッコウと、店から距離をおいて会社勤めをする昼田だったが、書店の危機に際し、二人でゆっくり立ち上がる。

著者等紹介

山崎ナオコーラ[ヤマザキナオコーラ]
1978年生まれ。大学4年の就職活動の時期に初めて小説を書き、新人賞に応募した。2回の落選を経験し、3年目、会社員をしながら書いた「人のセックスを笑うな」で、2004年にデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

〇〇肉店

82
良い本屋だな。そう素直に思いました。アロワナ書店のメンバーや田中家の家族、そして他の登場人物たちも、そのほとんどがクセはありますが良い人なんだなと感じます。それがとても心地よいのです。ストーリーはもちろん、書店情報も面白かったですし、雑談シーンがまた面白かった。ナオコーラさんらしさが出ているんじゃないでしょうか。2015/09/19

なゆ

78
ナオコーラさんなのにぶ厚い…と読んでみたら面白かった!地域密着型の〝アロワナ書店〟の三代目、やる気ゼロの名ばかり店長ハッコウ。ハッコウとは双子同然に一緒に育った昼田。はじめのうちは、昼田とハッコウの兄弟愛?友情?のような微妙な関係性や家族の繋がりなんかをメインに書かれてたが、だんだんアロワナ書店のこれから、そして書店文化が辿るであろう未来の話にまで及んでいく。ナオコーラさんの書店に対する想いを、書店員に目覚めた昼田に語らせてるのだろうか。うちの近所の昔からの本屋さんが先月閉店したばかり。文章が胸に刺さる。2014/07/29

ガクガク

76
「町の本屋さん」が舞台で、そこを経営する「昼田とハッコウ」2人のいとこを中心に物語が展開する。確実に消えていく運命の町の本屋や出版業界の状況なども本書のテーマではあるのだろうが、それより家族とか、血の繋がりとか、自己と他者との関係、地域で生きることなどのテーマの方が、より重く切実に感じられた。著者や読者の関心もあり書きやすかったという点で、たまたま書店を舞台に選んだのではないか。突然現れる昼田の子どもや父親は唐突感はあるが、現実って案外そんな風に「ある日突然」変わっていくことも確かにあるのだ。装丁が秀逸。2013/10/27

ぶんこ

65
街の本屋さんの様子がよく分かり面白かったです。宇宙人のようなハッコウといとこのミナルが街の本屋さんの3代目と店長として、自覚が芽生えていく過程が、登場人物に常識人が少ないだけに面白いような、いささかイライラするようなお話でした。大手チェーンではない本屋さんの話なので、読みながら、自分が知る範囲での街の本屋さんを思い浮かべていました。ほとんどを図書館予約の私が言うのはおこがましいですが、頑張って欲しいです。2016/12/05

ねむねむあくび♪

62
今までご縁が無かった山崎ナオコーラさん。もっと読み難い作家と思っていました。思いの外読み安く、面白かったです。書店が舞台だったのですが、書店ガールとかのような熱いお仕事小説でなく、衰退していく「本」と言うメディアと「書店」という業種を、達観しながらも、寄り添って見届けようとする、書店員としての矜持が語られる所が好きです。熱さも派手さも無い。まろほ駅前の二人のような活躍は間違っても存在しない(笑))閉店するスタバでの考察など、心に残る言葉があちこちに。滅びると思いつつ、なお前向きな姿勢が潔くて良かったです。2015/12/13

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