洞窟のなかの心

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  • サイズ B6判/ページ数 555p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062176132
  • NDC分類 702.02
  • Cコード C0010

出版社内容情報

人類学、心理学、脳生理学を統合し、心・自然・宗教・社会の関係を読み解く。リアルな体験と想像的イメージを繋ぐ意識の階層性を解明ラスコーやアルタミラなど、洞窟芸術は、芸術の起源は数万年前に突如誕生した。芸術はなぜ必要だったのか? 心のどのような機能が、表現にいたるのか? なぜ洞窟の中に誕生したのか?
現生人類の脳=心の構造、人類による社会の構成、シャーマニズムによる意識変容男状態の活用が、「芸術」誕生の鍵となります。著者はホモサピエンス史上最大の難問に挑むために、考古学に加えて、人類学、心理学、宗教学、脳生理学、意識研究の最前線の知見を創造的に再解釈し大胆な仮説を提示します。
20世紀の知的遺産を引き継ぎつつ、21世紀に向けてのラディカルな問題提起を孕んだ意欲作です。

序文
        三つの洞窟:三つの時間単位
第一章 「人類の古代」の発見
第二章 答えを求めて
第三章 創造幻想(クリエイティブ・イリュージョン)
第四章 心という問題
第五章 ケース・スタディ 1――アフリカ南部、サン族の岩絵
第六章 ケース・スタディ 2――北米のロック・アート
第七章 イメージ形成の起源
第八章 心のなかの洞窟
第九章 洞窟と共同体
第十章 洞窟をめぐる論争
献辞
訳者解説
参考文献


デヴィッド・ルイス=ウィリアムズ[デヴィッド ルイス=ウィリアムズ]
著・文・その他

港 千尋[ミナト チヒロ]
翻訳

内容説明

後期旧石器時代に、「芸術の誕生=創造の爆発」がなぜ起こったのか?脳内神経回路、シャーマニズム、社会形成、を鍵に謎を徹底解明する。

目次

第1章 「人類の古代」の発見
第2章 答えを求めて
第3章 創造的幻想
第4章 心という問題
第5章 南部アフリカ、サン族の岩絵
第6章 北米のロック・アート
第7章 イメージ制作の起源
第8章 心のなかの洞窟
第9章 洞窟と共同体
第10章 洞窟をめぐる論争

著者等紹介

ルイス=ウィリアムズ,デヴィッド[ルイスウィリアムズ,デヴィッド][Lewis‐Williams,David]
1934年生まれ。ウィトワーテルスラント大学(南アフリカ、ヨハネスバーグ)ロック・アート研究所名誉教授、シニア・メンター。サン族の文化の専門家

港千尋[ミナトチヒロ]
1960年生まれ。早稲田大学政治経済学部政治学科卒業。写真家、評論家、多摩美術大学教授。著書に『記憶』(サントリー学芸賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ぽん教授(非実在系)

3
考古学を進化生物学・神経科学的な解釈を踏まえてアップデートしようとしたもの。著者の企てが成功しているかどうかは専門家ではないので何とも言えないが、面白い内容であったことは確か。一般向けの本というよりは学術的な要素が強く、方法論や先行研究にもふんだんにページを使っている。2018/01/18

koz kata

2
「神々の沈黙」の時代だよねと思って取り寄せて読んだ。後半に出てくるアフリカの洞窟画の話も興味深かった。でも私が最初感じた予感のとおり「神々の沈黙」フォロワーって感じでした考古学というより奇書かなー。2012/09/23

takao

1
☆野性(動物)のヴィジョンを見るため、洞窟の奥に入り込む 2017/08/16

エルロイ&ブルー

1
数万年前の人類は何をどう考えて、洞窟の奥深くに絵を描いたのか、そもそも何故人類は芸術を為すようになったのか、という本。夢や幻覚と言った意識変容状態に焦点を当て、あれらの洞窟壁画はそもそも外の生き物を描いたのではなく心的イメージの表象であるとする説は面白い。動物姿は心的イメージの解釈に外の情報が用いられたに過ぎない。その心的イメージが芸術を通して固定化され、一つの文化として形成されていく。2015/02/15

鯨、或は山田

1
「芸術の興り」に対しての、ある種の仮説。ホモサピエンスとネアンデルタール人との脳とか意識の構成の違いからシャーマニズムのトランスでの幻視幻聴にまで食い込んでいく。とはいえ、その辺りを軸にして行ってるので良くも悪くも学術的な傍証とはちょっと距離がある。いずれにしろ、興味を持てば良い読み応えの本でした。2013/10/22

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